ちぐはぐな[リズム]は歌い手様に好かれました。Part4! (ページ46)

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171.帰宅ページ46

蜂蜜side

家の門は何故か開いていた。

ギィィッと古びた音を立てて門を開け、庭に入る。

久しぶりに来ただだっ広いその庭は、前には感じなかった淋しさを感じる。

閑静な住宅街に響く、靴の音。

家の扉の前まで来ると、ふうっと息をついた。

『…松衣月弥、ただいま戻りました』

ノックと共にそう言うと、ドアが開いた。

「「「お帰りなさいませ、月弥様」」」

玄関周りの掃除をしてた従業員やメイドから、声をかけられた。

それに軽く頷いて靴を脱ぎ、スリッパに履き替える。

すると近づいてくる、慌ただしい足音。

「月弥様っ…！お帰りなさいませ、お怪我はありませんでしたか…！？」

『ハナ…ただいま。えぇ、大丈夫よ』

それは、私の付き添いのメイドのハナ。

確か五年前に雇われて、当時私と一番歳が近い13歳だったからお父様が私のお守りにした。

なんで13歳で雇われたのかは知らないけれど、彼女にもきっと事情があったのだ。

「荷物お預かりします、リビングで樹様がお呼びですよ」

『…えぇ』

松衣樹。私の父の名前。

幼い頃は、その名を呼ばれる度にビクビクしていたのだ。

リビングの扉の前まで来ると、一度深呼吸した。

─────もう、覚悟はできているだろう？

私は扉を開けた。

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樹(いつき)って読みます！
洒落た名前ですよね((