162.いつぶりか ページ37
キャラメルside
ライブ会場についてからはとても早かった。
ライブの立ち入りやMC等の最終確認、グッズの確認、衣装に着替えてご飯食べてメイクしてもらって。
その工程が一瞬に思える程、楽しみだったのだ。
それと同時に、怖かった。
しくじったらどうしよう、上手く歌えなかったらどうしよう、何より来てくれた皆をがっかりさせてしまったらどうしよう。
期待と共にそんな不安も大きくなっていく。
すると、肩に何かの感触があった。
キャ「月弥…」
『緊張してるでしょ』
多分、と答えると、彼女はふわりと笑った。
『逆に、緊張しない方が可笑しいよね。だから緊張してない私可笑しいんだけど。
ま、色々思うところあると思うけど自分なりに頑張って、自分なりに歌って。失敗しても、それを感じさせない位のライブをすればいい。そうじゃない?』
キャ「月弥…
今日いつもより悟ってる?」
『やめろ』
何故かハリセンで頭殴られたんですがなんで持ってんのそれ。
つかそれ(ハリセン)出てきたのいつぶりだっけ?w
疑問と共に笑いが込み上げてきた。
『…緊張、とけたみたいだね』
キャ「うん、月弥ありがと」
楽屋の時計の短針は1を指した。ライブの開始時刻は、1時きっかり。
キャ「────幕開けだ」
静かに、静かに呟いた。
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作者名:月見だんご | 作成日時:2017年8月21日 23時