胸の内 ページ28
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「この間は失礼な態度を取ってしまい、すみませんでした」
スタジオから離れた噴水にAを呼び出すなり、司は誠心誠意頭を下げた。
Aの顔は見えないが、戸惑っているのがわかる。
それもそのはずだ。
急に話があると呼びだされたと思ったら、いきなり頭を下げられたのだから。
「なんだ、そんなこと？もう気にしてないからいいよ〜」
「ですがっ、私はあなたの気遣いも無下にしてしまい……」
「ほんとにいいの。私は司の役に立てれば嬉しいし、立てなければすぐに切り替えるから」
Aは本当に何もなかったかのように、あっけらかんとしている。
彼女のメンタルの強さは尊敬するほどだが、おかげで無理をさせていないかと司は心配になる。
「それより、この前できなかったところはできるようになったの？」
これ以上謝るのはやめろとでも言いたそうに、Aは話題を変えた。
嫌味も小言も言わず、司の心配までしてくれるとは聖人か何かだろうか。
Aの能天気な態度に、司は救われるような気がした。
「実は……、私1人では不安なところがあるので、見ていただけますか？」
「いいよ〜、練習の前にやっつけよう」
司が自分からAを頼ったのは初めてだった。
今までの態度からして、「今更教えるもんか」とAに突き放されても文句は言えないと覚悟は決めていた。
ところがAは快く受け入れ、すぐに取り掛かってくれた。
一通り不安要素をAに見てもらった後、司は胸の内を明かした。
「早く先輩方に追いつかなければ、とは思うのですが、なかなか思うようにはいかないですね」
「1年の差は仕方ないよ。見てる感じ、司が特段劣ってるわけでもないし」
特段劣っているわけではない、のレベルでは司は満足できなかった。
もっともっと成長を、と望んでいるところだが、焦っても良いことがないことにはそろそろ気がついた。
「単に練習量や経験の差でも遅れています。こっそり練習したいので、Aさんにもたまに見ていただけたら助かるのですが…………」
「大歓迎だよ。朝でも夜でも毎回行くよー」
力になれるのが嬉しいのか、Aはいつもに増してにこにこしていて笑顔が眩しい。
こんなことなら、さっさと素直になってAを頼ればよかったのだ。
もう二度とこの笑顔を傷つけはしない、と司は誓った。
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トド(プロフ) - にんじんさん» そんなに楽しみにして頂いてたとは！！嬉しいお言葉ありがとうございますー！！今後の励みになります！ (10月2日 19時) (
レス) id: a788b41716 (このIDを非表示/違反報告)
にんじん(プロフ) - 素敵な作品をありがとうございました！毎回の更新楽しみにしてて朝に読んでテンション上げて行くのが日課になってました！！ありがとうございました🙏 続編も楽しみにしてます！ (10月2日 18時) (レス) @page47 id: 96c9f21394 (このIDを非表示/違反報告)
傘(プロフ) - ありがとうございます！！本当に嬉しいです😭 (8月23日 22時) (レス) id: 6ab8a556b3 (このIDを非表示/違反報告)
あ(プロフ) - とても面白いので更新楽しみにしてます！ (8月23日 22時) (レス) id: 44f6912c5a (このIDを非表示/違反報告)
傘(プロフ) - ^^さん» そうですね。評価ばかりどっと増えたので、同じ方が入れてるのだと思います。 (8月18日 22時) (レス) id: 6ab8a556b3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：トド | 作成日時：2023年8月18日 19時
