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214話 「急に聞かれても困る質問」 ページ21

『行きたいところ……』

と、言われましても。こちとら引っ越してきたばかりみたいなもんだ。どこに何があるとかわからないし……ヨコハマとかマジでみなとみらいの赤レンガ倉庫、中華街……え、他何かある?いや、あるかもしんないけど……パッと出てくるのこんなもんだよ。
つーか赤レンガ倉庫ってなんかあんの?人はいっぱい吸い込まれて行ってたみたいだけど、中に何があるのかはわからない。歴史上で登場する赤レンガ倉庫の用途は知っていてもこの現代の使われ方は知らないのだ。観光地ってことしか。

『と……くにはないです』
「ア?」
『すっ、すんません』
「……チッ」

えぇ……なんで舌打ちするのぉ。というかヤクザの舌打ち無理怖い。
で、その当の本人はくるりと踵を返して歩き出してしまった。ど……どうすればよいのです?このまま理鶯のところへ帰ってもいい?泣きついてもいい?お前のリーダー様怖すぎもう無理お家帰る!って泣きついていいかな。

「なにしてんだ。行くぞ」
『は、い……?』

ついてこいと少し先で立ち止まっている左馬刻さんに小走りで駆け寄る。
ここまできたら銃兎さんのせいにしてしまおうかな。
内心で銃兎さんに罪をなすりつける俺だ。









左馬刻さんの斜め後ろをついて歩くこと数分。
待ち合わせのスタバからも見えていたショッピングモールの入口である。そして相も変わらず無言で自動ドアを潜って行くものだからどうしたもんか。平日の昼間だ。人はまばらでちょっと胸を撫でおろす。
こっちに来てから驚きの人混みに何度遭遇したことか……都会ってすっげーよ。
あ、こういうところでは銀は出しておけないのでバッグの中の籠に入って貰っている。
黙ったまま左馬刻さんの後ろをついて歩くこと数分。チラ、と目線をこちらに向けた左馬刻さんに背筋が伸びる・

「……なんか欲しいもんとかねえのかよ」
『なんでですか?』
「女は買い物好きだろ?」
『……ですかね』
「買ってやる」
『いやぁ……あは。え、遠慮しときます』

苦笑いしながら断れば目の前のヤクザの眉間に皺が寄る。ついでに眼光がえげつない。ピィって言いそうになったもの。
つーかもうわけ分かんねえよ。この前のアレがあってなんで物を買い与えようとしてるの?俺、左馬刻さんの腹に理不尽キックをお見舞いしちゃったよね?

「………じゃあどうすりゃいいんだよクソが」
『え?』
「なんでもねえよ」

何か小声……それも早口で左馬刻さんが言ったが全然聞き取れなかった。

215話 「近隣への配慮」→←213話 「死に場所の希望とかありましたら」



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レイ(プロフ) - 夢主ちゃんの反応がホントに面白いです。ちょくちょく入ってくる他作品ネタもニヤニヤしながら見ています( ̄▽ ̄)いつまでも待っているので自分のペースで頑張ってください!応援しています。 (2019年6月3日 18時) (レス) id: 9314b0693c (このIDを非表示/違反報告)
作戦隊長(プロフ) - 寝不足ハープさん» ありがとうございます!楽しんでいただけてなによりです☆彡これからもよろしくお願いします。 (2019年5月27日 17時) (レス) id: 9eca42e73b (このIDを非表示/違反報告)
寝不足ハープ(プロフ) - 続編おめでとうございます!毎回楽しく見させてもらってます。更新頑張ってください! (2019年5月27日 2時) (レス) id: 69f8faa1c1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:作戦隊長 | 作者ホームページ:tp://  
作成日時:2019年5月26日 20時

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