【ヒプマイ】どこの世界でも俺が最強だと思ったら大間違いだクソボケ！！【4章】

163話　「インスタ映え」 ページ19

「左馬刻ったら、こーんな可愛い子を放置してほかのお姉さんに乗り換えるってありえないよね！今度僕がメッ！ってしとくから安心して〜」
『いや、でもあのお姉さん美人だったし』
「そういう問題じゃないってば！」

先に受け取った飲み物のカップを傾けながら乱数が唸る。
パンケーキ屋まで歩く道中、年上だという事が発覚。乱数「さん」と呼べば「呼び捨てがいい！呼び捨てじゃないとヤダ！！僕、哀しくて泣いちゃうようえーん！！」と何とも凄い抵抗を受けた為、乱数と呼ばせてもらっている。
だがノリはどっちかというと俺や二郎とかと同じだからあんまり違和感はない。ガキとか言った奴は乱数に「メッ」ってされるぞ。
乱数の仕事の話を聞いていればパンケーキが運ばれてきた。

「さぁて……どう撮ろっかなあ」
『……え？撮る？』
「ってもう食べてるの！？」

インスタは！？映やさないの！？とめちゃめちゃに詰め寄られるがちょっとよくわかんない。は、ばやすって何を？草？草生やせばいいの？うける(大草原)。
とまあ、そんなこと言われても俺は既にナイフ入れちゃってるし乱数は乱数のを撮ればいいと思いまーすと意地悪っぽく言えばわざとらしく膨れる乱数。
ああ、いいな。この学生感。すごく楽しい。

「あっ、その笑顔かーわいっ！」
『はい？』
「やっぱりかわいー女の子には、笑顔が似合うよね！はい、ポーズ！！」

こっちの了承なんてお構いなしにパシャリという音が鳴る。
相当な間抜け面が激写されてしまった気がするが、乱数が盛れてるだのなんだの言ってるから大丈夫だろう。そのまま流れで連絡先を交換させられた。秒で送られてくる画像には、案の定ナイフとフォークを持ったまま「？」といった感じの俺だ。

「僕もたーべよっと！」

パンケーキにフォークとナイフを入れる乱数。見た目は可愛らしいし、声も下手したら俺よりも可愛いんじゃないかと思うがやっぱり男子。モグモグと平然と食べている。ホイップマシマシの三段重ねパンケーキなんて苦じゃないってか。

『そう言えば乱数。ちょっと気になってんだけど』
「なぁに？なんでも答えちゃうよ！」
『懐かしい光景ってなんだ？』
「………はは、やっぱ気になるよねえ。教えてあげてもいーけど、僕もAに聞きたいことあるんだ」

それ教えてくれたらいいよー！と笑顔で指揮棒のようにフォークを振る乱数。
言い方に少し引っかかったが静かに頷いておいた。

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