【ヒプマイ】どこの世界でも俺が最強だと思ったら大間違いだクソボケ！！【4章】

157話　「猶予：3コール」 ページ13

銃兎さんの家に一週間近く居候してから数日。
相も変わらず海、銭湯、キャンプをグルグルする日々を送っていたら唐突にスマホに着信。
画面を見れば「碧棺左馬刻」の文字が表示されており、しばし考えてから緑色の丸を横へスワイプする。

『はい』
《おせぇぞ。3コール以内に出ろや》
『す、すみません。で、どうしたんですか？』
《……ちょっと付き合え。LINEに場所送るからそこまで出て来い》

二時間後にな、とこっちの有無を言わせないまま通話を終了された。
流石は俺様、こっちの都合なんか知ったこっちゃないと……そういうわけですね。
今日は海に潜らずに日の出前から滝さんの網漁を手伝っていたため、十一時半現在、風呂まで終わっている。昨日、二郎と「明日の放課後遊ぼうぜー」って話をしていたがお流れだな。
LINEに送られてきたのは中華街近くのコンビニで……結構遠いなぁ。行かなきゃダメかなぁ……明日の朝日が見たいなら行った方がいいな。









ジーパンに赤いパーカーというスタイルでコンビニの中で待っていた。二郎と遊びに行くかもしれないと思っていたからこんな格好なわけだが。どう見ても学生だろうなこの格好。
ココアを買ってイートインスペースに座りぼけーっと外を眺める。とっくに桜も散り終わり、もうじき梅雨だろう……四季があるって逆に新鮮だな……前は島によって四季が変わっていたし、もはや二十四時間三百六十五日いつでも日中って島もあった。というか職場だなそこ。
ココアをちびちび飲んでいればスマホが震える。【今どこに居やがる】って……言われた通りコンビニですよ。
そう返信しようとしたら肩を叩かれた。

「おい気づけや」

『あ……左馬刻さん』
「………行くぞ」

俺をじっと見た左馬刻さんは踵を返して外に出る。そのまま車に乗るのかななんて思っていたがそういうわけではなく、コンビニの外にある喫煙所で一服するらしかった。煙草を取り出しライターで火をつける。つけろやとか言われなくてよかった。

「あー……忘れてた」
『何がです？』
「同じの買ってこい」

ポイッと渡された空箱。あと財布。どうやらラストの一本だったらしく……ここは大人しくパシりの役を仰せつかりましょう。怖いから。
さっきまでいたのに入りなおすのはなんだか居心地悪いが、ヤクザに凄まれるのよりマシなのでさっさと煙草を買って帰還することにする。

『すみません、コレと同じのください』
「かしこまりました」

ピッと読まれたバーコード。

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