12話 ページ14
メェエエ
白竜「!…、なんだヤギか」
物音がしたかと茂みを掻き分けるとただの一匹のヤギだった
白竜「しかし、随分小さいな」
何度か森の中でヤギを見かけたが目の前のコイツはそれに比べて体が小さい
少し観察しているとこちらに近寄ってきた
メェェェー
白竜「…警戒心というものは無いのか?」
まるで撫でてくれたいうように頭を俺の腕に押し当てくる
頭を撫でると思いの外触り心地は良かった
都会育ちの自分の偏見だが野生の動物はもっとこう
臭くて汚い←ひどい
ようなイメージがあったが毛並みは真っ白で少し毛物臭さはするがどこか愛嬌があり嫌ではないなと感じた
白竜「…白、、」
あの少女も白いワンピースを着ていた
健康的な白い肌に
深い青色の髪
島中いくら探しても全く見つからない
船もヘリもあの日から出ていないから必ずこの島に居るはずだが
もしかしたらあの少女がわざわざ自分に見つからないように隠れているのかもしれないとすら感じる
あの少女は自分をどう思っているのだろうか
一瞬だけ目が合った俺はどう映っていたのだろうか
それともそんな事気にもとめてなく忘れているのだろうか
このヤギみたいに自分に好意的に興味を示して貰えたら
話しができたら
どれだけ嬉しい事だろうか
嬉しい…?
雷に撃たれたような衝撃が体の中を駆け巡る
白竜「ハッ!わかったぞ‼」
「そうか、この気持ちの正体は」
『"究極のソウルメイト"‼‼‼』
ずいぶん昔に聞いた話だったが
一生のライバル、親友、相棒というのは
一目見ただけでわかるのだという
ライバル‼
もしそうだとしたら競い合い、削り合い、より高みへの道も開けるだろう
白竜「はーはっは‼待っていろ俺の
そう叫びながら俺は森の中を駆け出した
数年後元チームメイトとの懐かしい思い出の語り合いでゴットエデンで『ハッハー‼』と雄叫びをあげるターザンがいるという噂があったと聞く事になる事をこの時の俺はまだ知らなかった
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作者名:KASUMI | 作成日時:2021年1月20日 17時