家に帰りたい 5 届け。 (ページ17)

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レイラは言葉を続けた
　
　
　
　
　
　
「今の貴方は」
　
　
「自分の弱さに甘えて何も変えることも出来ず、することも出来ない…他者に頼ってばかりでなのに正義だなんだ喚いているだけ」

　

　
アルトゥール「な！」
　
　
レイラ「私たちは強く無ければ、勝てなければ私たちに存在する価値なんてない」

　
　
「私達は正義を貫く事が使命」

　
　

　
「それを裏切るというのなら容赦はしない」
　

アルトゥール「っっ！」
　
　
　
青い瞳がまるで自身の心臓を貫いたかのように
　
　
ぞくりと先程よりも深い恐怖に呑まれる

　
レイラはアルトゥールに歩み寄り
　
　
「でも…」
　
　
ベルナルド達には聴こえないように呟いた
　
　
　
　
レイラ「貴方のやり方で勝ってみせればあの方も分かってくれるかも知れない
　
　
　
だから貴方の正義をみせて」
　
　
　
　
アルトゥール「⁉」
　
　
　
　
先程まで恐れていた目の前の少女が
　
　
　
　

無表情だが悲しんでいるように見えた
　
　
　
　
　
アルトゥール「…あぁ。」
　
　
　
　
　
　
アルトゥールにとってレイラは氷で作られた人形という印象だった
　
　
　
　
他の使徒達が彼女を恐れている事を知っていたが
　
　
　
　
アルトゥールはそれが理解できなかった
　
　
　
はじめて会った時もベルナルドの後ろに使用人…部下のように控えていて
　
　
その容姿はこれまでにあったことの無い程で誰がみても美少女というだろうと思ったが
　
　
　
それと同時に完璧な見た目はまるで作り物のようで人間味がなかった
　
　
　
加えていつ見ても表情は変わらず
　
　
　
綺麗な氷の置物のようだと思った
　
　

　
世間が英雄と呼ぶのもただ容姿が優れていてオリオンがまつり立てているだけだと思っていた
　
　
　
しかし
　
　
試合を見ただけで少女のサッカーの実力は自分達を遥かに上回っていること
　
　
先程の事から使徒達が彼女をあれほど恐れる事を実感した
　
　
　
彼女は本物だ
　
　
オリオンに忠誠を誓う本物の戦士

　
　
逆らう者も裏切る者も容赦が無いような瞳、オーラ
　
　
いや…文字通り実際そうだ
　

　
この間も失敗した使徒を追放したときいた
　
　
　
彼女はオリオンに全てを捧げている

　
勝利も感情も忠誠も

　
だが
　
　

アルトゥール(今の一言は…まるで、、)