迎え ページ48
実弥のいない日々がただただ過ぎる。
『玄弥、今日は昼餉何作ろうか?』
「あー、えーと、炊き込みご飯とか」
『了解!じゃあ待ってて〜すぐ作るね』
玄弥が一緒に住んでくれているから、
1人きりというのは少なく、寂しさに打ちのめされることはなかった。
けれどふと実弥のことを考える
料理中に後ろから抱きついてこないとか
起きたら実弥が「おはよう」って言ってくれないとか
どこかに実弥の姿を探してしまったり
「姉さん、大丈夫?」
『ん...?あ、ごめん大丈夫!』
「そっか...兄貴のこと?」
『そうだね...やっぱり寂しいなぁ、』
たまにぼーっとしてしまうのか、心配されてしまう。これじゃダメだね、実弥にも心配されちゃうよ
そんな調子で2年が過ぎる。
煉獄ももういない。
煉獄の葬儀も大泣きして玄弥に迷惑かけてしまった。
2年間、正月は玄弥と正月遊びをしたり
実弥の誕生日は、本人不在の誕生日会
玄弥や私の誕生日ももちろん祝って
たまにはみんなで集まって。
桜を見たりして
やっと、実弥のとこに行ける。
『今まで、ありがとうね、玄弥、善逸、獪岳、禰豆子ちゃん』
『玄弥、幸せになって。実弥も私も願ってる。
獪岳も、幸せに生きて。
善逸と禰豆子ちゃんも』
『宇髄、柱1人遺してごめん』
『炭治郎、伊之助、これまで通り、善逸や獪岳、玄弥と仲良くしてやって欲しい。大切な弟達だ』
何も苦しいことなどない。
少しづつ眠くなって、瞼が重くなるだけ。
瞼を閉じたらもう終わりだとは分かる
「A、よく頑張ったなァ」
目の前に実弥が現れた。
「迎えに来た」
あぁ、幸せだ
ゆっくり目を閉じた
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作者名:Ka:ran | 作成日時:2021年1月19日 17時