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#6 ページ7

『ふふ、あんまり濡れなくて良かったですね。鞄はちょっと心配ですけど。』


「ちょっと……、?」



コンビニまではそこまで遠くなく、不幸中の幸いってやつだろう、車の水跳ねの被害者にもならずに済んだ。



まぁ全く濡れてない訳ではなく、肩や足元はもちろん最悪な状態なのだが。


そんな訳で先輩から拳一つ分程離れて歩く。




歩いていたのだけれど、




「!…離れてたら肩濡れるだろ、風邪引くぞ。」


肩を寄せられ先輩と肩がとん、と触れて。


…やっぱりもう一本傘を買えば良かったかな、先輩に気を遣わせてしまってる。それに、距離が近い。




『…相合傘とか恋人みたいですね、先輩。』



あんまり揶揄うなよ、とか、慌てて吃ったりだとか。

そんな反応を予想していたのに。



「恋人…まあ悪くないんじゃないか、俺は嫌じゃない。」


『な、__セクハラですよ、今の。』


「おま、えが先に言ったんだろ、どこがセクハラだ。」


先輩が隣で楽しそうに頬を緩める。


傘、もう一本買わなくて正解だったかも知れない。





先輩の肩にそっと擦り寄ればびくりと身を震わせたのが伝わってきて。


…こういうことは案外弱いんだな、ふふ。


くつくつと喉を鳴らせば何笑ってるんだ、と小突かれた。









「終電、普通に間に合いそうだな。」



安堵したように先輩が告げる。



腕時計をちらりと見て改札を渡ろうとした時だった。

背後から知らない声。



「…おや?観音坂さんじゃありませんか。」


「!い、入間さん…?こ、こんばんは。」



いるま……?お友達…にしては先輩がかなり逃げ腰な気がする。



『先輩、えと、お友達ですか?』


「友…!?いや、友人とかじゃなくてだな…」


「…私の事を御存知無いのですか?それは残念。」



一気に距離を詰められてはいるま、という人に指先で顎を持ち上げられる。


眼鏡のレンズ越しに此方をじっと見据えられて。



「どうも初めまして。入間銃兎です。以後お見知りおきを。」



鼻先を、苦い煙草の香りが掠めた。

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木乃伊(プロフ) - とっっても面白いです!更新頑張って下さい!! (2020年4月27日 2時) (レス) id: 8b1d0909e8 (このIDを非表示/違反報告)
クレハ(プロフ) - はじめまして!クレハと申します!面白い作品ありがとうございます!さっそくなのですが、リクエストしてもいいですか?違法マイクで夢主君が幼児化するお話が見たいです!出来れば摩天狼でお願いします!! (2020年4月23日 22時) (レス) id: 7636715740 (このIDを非表示/違反報告)
蛇使い座(プロフ) - きゃあぁぁ!すごい一郎君と独歩君が可愛く見える……!!凄く面白いです!これからも頑張ってください! (2020年2月17日 18時) (レス) id: 760b5f712c (このIDを非表示/違反報告)
ヤト - 続きが気になります、更新楽しみにしてます。 (2020年1月8日 17時) (レス) id: bd201871c1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:絢鳩 | 作成日時:2020年1月7日 1時

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