美人系イケメン、マイク所持者に求愛される。

＃4 ページ5

「！あれ、めっちゃ美味いんすよ！どうすか、俺と一緒に食いません？」


「Aサンってあんま池袋来ないんすか？」


「Aサン細いっすけど、ちゃんと食ってるんすか、」




『…一郎くん、やっぱり若いんだね』



現在進行形で一郎くんと並んで繁華街を歩いている、先程買ったクレープを片手に。


今日初めて会った筈なのに、不思議なことがあるものだ。


…とまあこの通り、一郎くんにかなり懐かれた気がする。と言っても出会ってから数時間しか経っていないけれど。きっとコミュニケーション能力が高いんだろうなあ。




それと。カフェで再会し、話をして分かったことが

一郎くんは長男で下に2人の弟がいること、19という若い年齢で"萬屋ヤマダ"を経営していること、意外とアニメ鑑賞が好きなこと、などその他諸々。


色々な話を聴いて、一郎くんのことも少しは知れた…のかな。





「…Aサン、？」


『あ、ちょっと考え事しちゃってた。ごめんね、凄く美味しいよ、これ。

！…一郎くんクリーム付いてる、口元。』


「え"っ、ど、どこっすか」


慌てて口元をぺたぺたと触れる様子を眺める。
意外と子供っぽいところもあるんだなあ、……ああ、もうちょっと右。そっちじゃなくて、う〜ん……。




『ちょっと惜しい、ここ。』


ぴっ、と指でクリームを取ってはその指先を舐める。…あ、どうしよう。いつもの癖。


流石に嫌だったかな、と彼の方を見ると慌てた様子でふい、と顔を逸らされる。やっぱりやっちゃったかな……。




………、……あれ、




一郎くんの耳が、真っ赤に染まってるのに気付いて思わず笑みを零してしまう。


『ふふ、一郎くんって可愛いね、俺よりでかいのに。


……あいたっ、』



ぺし、と軽く肩を叩かれる。

照れ隠しだろうか、



そんなとこも可愛い、なんて言ったらきっとまた叩かれるんだろうな。

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