美人系イケメン、マイク所持者に求愛される。

＃17 ページ18

「ん゛ん、……………………あ、さ？」








何故かアラームが鳴るよりも先に目覚めてしまった。




枕元の携帯の時間は、…5時41分。





あと20分は寝れ＿＿＿＿、は？





隣に小さい、男の子が寝ている、…気がする。



さら、髪を撫でれば手にはしっかりとした感覚。





夢ではない、ことに気付いて思わず飛び起きると思いっきりベッドから落ちた。クソ痛い………。









『……ふ、ぅあ………なんの、おと、』




もぞり、




起き上がったその子は眠そうに目を擦ると、まだ開き切っていない瞳で此方を見詰める。






だ、誰だ？全くと言って良いほど身に覚えがない。






俺も誘拐なんてする訳無い、とは思うが。




ただ昨日は確か…Aを、助け、て…………、




…………A、を？





ふ、とベッドの上の子を見詰め返す。





白い肌と黒い艶やかな髪と、赤……もとい、ワインレッドの色をした瞳。









覚めきらない頭をフル回転させていると、元気よく部屋の扉が開かれる。美味しそうな朝飯の匂いを隙間からふわり、と漂わせながら。






太陽の様な金色の髪を揺らして同居人である一二三が扉から顔を覗かせた。






………………ん？待て、これは相当…ヤバいんじゃないか、嫌な予感しかしないんだが。





「おっはよ〜〜〜独歩！！さっき有り得ねぇぐらい超でっけ〜音したけど大丈、夫………うわ、誰その子？独歩ちんまさか朝から誘拐犯な感じぃ？」





フライ返しを片手にドン引きしたような顔を向けられる。



…案の定。



クソ…失礼なヤツめ、そんな顔しなくても良いだろ、





「誘拐犯な訳あるか！お、俺もよく分からんが…朝起きたら小さくなってたんだ、……多分」



「…うへえ、それマジ？…独歩ちんとは20年近く一緒だけど流石の俺っちもそれは分かんね〜かなぁ……ほい、怖いから君はこっちおいでな〜？」



「お前な……少しは人の話を聞けよ……」







今日は少し、……かなり、騒がしい日になるだろう。



さっき止め損ねたアラームが響いた。

＃18→←＃16

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す