佰肆拾伍頁─作戦開始 6─ ページ10
“間もなく白鯨の視認圏に入ります”
ヘリに搭載されている通信機から聞こえた報告の声。
谷崎はそれを聞き、慌てて確認をとる。
「えっと、高度よし。排熱制御よし。あと、それと...!」
キッと顔を引き締める。
«細雪»
異能力を発動させてヘリを周囲の目から隠す。
彼は集中力を切らさぬように操縦機を強く握り、敦に再度潜入方法を確認した。
「白鯨は定期輸送ヘリを格納する一三〇秒だけ空域センサーが切れる。その隙に姿を消して接近...飛び移るンだ!」
それに対し、敦は無言のまま頷きで応えた。
*
「潜入しました」
敦がインカムの先にいる人物へと報告する。
その人物は今回の作戦を立案した太宰であり、彼はとある通信整備室に居た。
入口の扉には彼の行動一つ一つに目を光らせる黒いスーツを着た男性が立っている。
しかし精密機器の前に座っている人物は太宰のみでそこにAの姿は無かった。
「中の様子は?」
「静かです。誰も居ません...妙です。皆何処に...」
「殆どが脱出した」
突如割り込まれた嗄れ声。
敦は足を止め、会話を止める。
其処に居たのは白い口髭を生やした老人。
彼は一人椅子に座っており、何かを諦めたような重い面持ちで
「残った僅かな人員も次の輸送便で白鯨を離れる。何故か分かるか小僧?」
「それ、ボクが当てようか」
敦の足元から少し幼い声が響く。
周囲をゆっくりと見渡しながらメルヴィルの前へと歩くフルールの姿は、電池で動く精巧なおもちゃのようだった。
それを視界に収めたメルヴィルは微かに眉を動かすだけでその他の動揺の色は一切窺わせない。
長年の経験からか、彼はいたって冷静だった。
「Aの予想だと、組合はこの白鯨を落とすことでヨコハマの街を壊滅状態に陥れようとしているみたいダヨ。無関係な民間人を大勢巻き込んで、全てが灰になるだろうッテ」
首を傾け上目遣い。
フルールは平坦な声音で自分の主の予想論を紡いでいく。
しかしその可愛らしい仕草とは裏腹に、生地で出来た表情の奥深くにはメルヴィルですら体験したことの無いナニカが含まれているように感じてならなかった。
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まんじゅうねこ(プロフ) - 煉華☆さん» ゲームでの名前は其の侭「まんじゅうねこ」です!ありがとうございます! (2018年11月2日 17時) (レス) id: 5748b81071 (このIDを非表示/違反報告)
煉華☆(プロフ) - まんじゅうねこさん» 初めまして、こんにちは(*^^*) フレンドは大丈夫ですよ!「4555 8960 3456」←こちらでいけると思うので、ゲームでの名前を教えていただけると助かります。コメントありがとうございました! (2018年11月2日 17時) (レス) id: b70d4562c3 (このIDを非表示/違反報告)
まんじゅうねこ(プロフ) - すいません、文マヨのフレンド申請を送っても良いでしょうか……。 (2018年11月2日 16時) (レス) id: 5748b81071 (このIDを非表示/違反報告)
のん(プロフ) - ありがとうございます!風花楓音で申請しました! (2018年9月30日 10時) (レス) id: cdcff714b1 (このIDを非表示/違反報告)
煉華☆(プロフ) - のんさん» こんにちは!大丈夫ですよ(*^^*) コメント欄にIDが書いてあるので、申請して貰えたら嬉しいです。 (2018年9月24日 14時) (レス) id: b70d4562c3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:煉華 | 作者ホームページ:https://mobile.twitter.com/renka_kazetani
作成日時:2018年7月14日 17時