佰伍拾参頁─白鯨内戦闘 2─ ページ18
「敦君、彼に
突然の乱入者に思考が働かない敦の耳に太宰からの指示が飛ぶ。
それはこの硬直状態を動かすものだった。
「ですが」
「大丈夫。私の云う通りにすれば、問題なく逃げられるよ。先ず────」
失敗など考えられないといった様子の太宰の悠然な言葉を聞き、敦は少し疑った表情を浮かべつつも芥川に向き直る。
「芥川。今これは太宰さんと繋がっている。話があるそうだ」
「!」
自分の想像以上の反応を見せる芥川に驚きながらも、敦は有ろう事かその通信機を思いっきり横へと放り投げた。
通信機が落ちる先は数メートルもある白鯨の底。
しかし、芥川は迷うこと無く手すりを足場して飛び込み、通信機を掴み取った。
重力に押されて落ちていく躰を異能で外套を操り、壁に食い込ませて摩擦の力で落下を防ぐ。
とても常人には真似出来ない芸当だ。
「太宰さんっ!?」
芥川がイアホンを耳につけ、その先に居る筈の人物の名前を叫ぶ。
......しかし、そこからは通信が切れている事を示す音が淡々と鳴り響くだけだった。
*
「やぁ、ゼルダ。元気にしてたか?あぁ、電話が五分遅れたのは謝るよ」
白鯨内の何処よりも広い部屋。
そこに彼は居た。
彼────フィッツジェラルドは愛する者との電話を片手に、カーテンが上げられた円状の窓ガラスの外を見詰めていた。
「何しろ仕事が大詰めでな。...いや、勿論だ。どこにいようと、愛しい妻の事は一秒だって忘れないさ」
フィッツジェラルドは机に置いてある写真へと手を伸ばす。
その写真には彼と妻のゼルダの姿が写っており、大切そうに写真立てに入れられていた。
「...悪いが客人だ。また電話する。愛しているよ、ゼルダ」
会話を続けようとする彼の部屋の扉が開く気配を感じ、惜しまれながらも愛の言葉を伝えて通話を切る。
「...フルールと云ったかな?悪いが君との交渉はまた後だ」
そう云って向ける彼の目線の先には茶色のクマのぬいぐるみ。
それは釦の目を態とらしく伏せ、だらんと耳を垂らした。
「そう。それは残念ダネ」
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まんじゅうねこ(プロフ) - 煉華☆さん» ゲームでの名前は其の侭「まんじゅうねこ」です!ありがとうございます! (2018年11月2日 17時) (レス) id: 5748b81071 (このIDを非表示/違反報告)
煉華☆(プロフ) - まんじゅうねこさん» 初めまして、こんにちは(*^^*) フレンドは大丈夫ですよ!「4555 8960 3456」←こちらでいけると思うので、ゲームでの名前を教えていただけると助かります。コメントありがとうございました! (2018年11月2日 17時) (レス) id: b70d4562c3 (このIDを非表示/違反報告)
まんじゅうねこ(プロフ) - すいません、文マヨのフレンド申請を送っても良いでしょうか……。 (2018年11月2日 16時) (レス) id: 5748b81071 (このIDを非表示/違反報告)
のん(プロフ) - ありがとうございます!風花楓音で申請しました! (2018年9月30日 10時) (レス) id: cdcff714b1 (このIDを非表示/違反報告)
煉華☆(プロフ) - のんさん» こんにちは!大丈夫ですよ(*^^*) コメント欄にIDが書いてあるので、申請して貰えたら嬉しいです。 (2018年9月24日 14時) (レス) id: b70d4562c3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:煉華 | 作者ホームページ:https://mobile.twitter.com/renka_kazetani
作成日時:2018年7月14日 17時