9話「キミの××、奪っちゃった」 ページ9
「! Aちゃん!! 大丈夫!?」
「ぅ……かの、くん……?」
「よかった……!! Aちゃん、お水自分で飲める!?」
うっすらと目を開けたAちゃんにそう尋ねると、Aちゃんは首を横にゆっくりと振る。
うーん……やっぱりこの手を使うしかない、か……。
そう思った僕は軽く深呼吸をし、Aちゃんの上に跨がってこう言った。
「Aちゃん、初めてだったら……ごめんね?」
「え……?」
僕のその言葉の意味を理解できていないらしく、Aちゃんはこてんと首を傾げて虚ろな瞳で僕を見つめる。
そして僕はAちゃんの頭を優しく撫でて水を口に含み、そのままAちゃんの柔らかそうな薄ピンク色の唇にキスをし、舌でこじ開けてAちゃんの口内に水を移した。
時折Aちゃんの甘い声が聞こえ、僕の心臓はドキンドキンと音を立てる。
「っは、……Aちゃん、飲んだ?」
「ん……。もっと、ちょうだい……?」
「!! えっ、……もっと!?」
何かの聞き間違いかと思ってもう一度聞くと、Aちゃんはのぼせて真っ赤になっている顔のまま笑みを浮かべて頷いた。
ゆ、夢じゃない……んだよね……!?
そう思いながら僕は再び水を口に含んでAちゃんの口内にそれを流し込み、口を離そうとした時。
「っん!? ふ、ぁッ……A……ちゃん……っ!?」
Aちゃんが僕の背中と後頭部に手をまわし、舌を入れてキスをしてきたのだ。それから僕は何度もキスをし、Aちゃんのファーストキスだけでなくセカンドキス・サードキスも奪った。
そして僕の方からも舌を絡ませてキスをしていると、僕の背中と後頭部にまわっていたAちゃんの手が離れる。
「? ……A、ちゃん……?」
ゆっくりと口を離すと、僕とAちゃんは銀色のようで透明な糸で繋がれる。Aちゃんを見てみると、目を閉じてすやすやと寝息を立てて笑みを少し浮かべて眠っていた。
「……寝ちゃった、か。僕もそろそろお風呂入って寝よっかな」
そう呟いて僕はAちゃんの艶やかな黒髪の毛先にキスを落とし、静かに部屋を出て脱衣所に向かいながらぽつりと呟いていた。
「……Aちゃんのファーストキス、僕だったらいいな」
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秋ノ宮紅音(プロフ) - ヒヨリさん» 原作通りで17歳ですよ(^o^) (2017年11月9日 16時) (携帯から) (レス) id: 665a044116 (このIDを非表示/違反報告)
ヒヨリ(プロフ) - これ、カノ君何歳設定? (2017年11月9日 12時) (レス) id: bdc272b297 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雨ノ宮心音 | 作成日時:2017年3月24日 15時