【カゲプロ】猫目の青年、拾いました。*１* (ページ5)

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５話｢意外とＳな猫目くん｣ページ5

｢ゲホッ……、いきなりどうしたの!?｣

｢いや、だって僕行く所なんてないしキミも１人で寂しいんでしょ？なら、僕が一緒に住むよ！｣

｢で……でも私これからファミレスのバイトだし、夜は７時半までコンビニのバイトだし……｣

｢大丈夫、ご飯は僕が作るから！それに、助けてもらった恩も返したいし!! ねっ、いいでしょ？｣

朝食を食べ終えた鹿野くんは、食器をキッチンに運びながらそう言う。
鶴の恩返しじゃなくて、……鹿野の恩返し？

｢んー、……まぁいいけど……｣

｢やった♪ てか、時間大丈夫？９時だけど｣

｢え!? わ、本当だ！急がなきゃ……いってきます！｣

｢いってらっしゃーい♪｣

そう言って私が鹿野くんに手を振ると、鹿野くんはそう言って笑顔で私に手を振る。
……そして夜、バイトを終えた私は自宅のドアを開けた。

｢たっだいまー！｣

｢あ、おかえりAちゃん！今丁度夕食作り終わったから、覚めないうちに早く食べよっか！｣

｢うん！｣

玄関で靴を脱いでリビングに行くと、私がいつも使っているピンク色で所々にフリルがついたエプロンを着けた鹿野くんがリビングテーブルに作ったものを運んでいた。
そして私達は、木製の椅子に向かい合って座る。

『いただきます！』

手を合わせてそう言った私は、まずはハンバーグを口に運んだ。

｢……どう？美味しい？｣

｢うんっ、超美味しいよ！｣

｢よかった～、今日初めて作ったから心配だったんだ。母さん達に食べてもらった時なんて、何も言ってくれなかったから……｣

｢そうなんだ……でも、凄いと思うよ？初めてなのに、こんなに上手くできるなんて。私なんて、焼きすぎて真っ黒焦げになっちゃったくらいだし！｣

私がご飯と味噌汁を食べてそう言って苦笑すると、沈んでいた表情は鹿野くんの顔からなくなり、鹿野くんは笑顔になった。

｢そうなの!? あ、そう言えばAちゃんて……白とかピンク好きなの？｣

｢うん、そうだけど……何で？｣

｢えっ？あーいや……その、ね？洗濯物干す時にピンクとか白の下着が多かったから、そうなのかなーって｣

｢っ!! ……み、見たの!?｣

｢うん、見ないと干せないし。……あ、もしかして下着見られて恥ずかしいの？顔、真っ赤だよー？｣

既に夕食を食べ終えた鹿野くんは食器を片づけ、私の横に来てニヤニヤと笑っている。

｢え、嘘っ……!!｣

私がそう言って自分の頬に両手を当てると、確かに熱かった。