Story 2. ページ3
「しかし……御父上も御母上も、A様の無事を祈っておりました」
Aの横に並び、同じく窓の外を見やった颯太の脳裏には、家を出て行く前の家族の姿が過る。
──“ある目的”のために、どうしても旅に出たいと申し出たAに驚いた両親は、もちろんその意見に強く反対する姿勢を見せていた。だが、普段は素直で大人しい彼女が、何かに取り憑かれたかのように頑なにしているのを見たからか──やがて折れてしまったのは、両親の方だった。
当然ながら、条件として御付きの颯太を連れて行く事にはなったが、Aはその指示に従った。反対する理由もなく。
「ですからきっと、無事に御自宅に戻りましょう。我らの目的を果たして」
両親もまた、颯太の実力に多大なる信頼をおいている。それ以上に彼を信頼するAは、やはり颯太の声に素直に頷きを返した。
普段はこのように従順な彼女が、両親の言いつけを跳ね退けてでも成し遂げたい事。……何やら、只事ではないような気がしてならない。
「(例え何があっても、この手で守り通さないと──)」
二人が見つめている窓の外に広がる景色の中には、広大な草原の中にぽつんと一つの都市が置かれているのが認められる。
世界中でも、もう一つの都市と一･二の繁栄を争うほどに発展した大都市。それは地平線の向こうから見える朝焼けに照らされて、力強い威厳を放っているように感じられた。
この船があの大都市へと辿り着くまでに、頭上に広がっていた星空は徐々に姿を消して行き、澄み渡った青が一面を覆い尽くしていた。
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フェイル(プロフ) - さにー☆彡さん» 初めまして! コメントありがとうございます! 細々と連載していくつもりでしたのでコメントをいただけるとは思わず、本当に嬉しいです! まだまだ勉強中ですので恐れ多い褒め言葉です;; 今後も頑張らせていただきます、よろしくお願いいたします! (2018年12月9日 21時) (
レス) id: de67700d03 (このIDを非表示/違反報告)
さにー☆彡(プロフ) - 初めまして、突然のコメント失礼致します。とても綺麗な文章に感銘を受けました……！ これからも陰ながら応援しています。更新頑張って下さい！ (2018年12月8日 9時) (レス) id: 632d3b069c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：フェイル | 作成日時：2018年12月1日 22時
