Story 3. ページ4
〜･〜･〜
“この都市で最も腕の立つ探偵は誰で、それは一体どこに居る人物か?”
自らの目的を果たすために、颯太は辺りを歩き回っている人々に片っ端から問いを投げかけた。街中の者達からの返答は――中には個人的贔屓による答えもあるにはあったが――最も多かった声が、大きく分けて二人。
「一人は相当腕の立つ者ですが、その名前が不詳だそうで……街の者達は“探偵.S”と呼び親しんでいる者のようです」
「“S”ってなんです?」
「さ、さあ……」
字面からして何かの愛称かとは思われるが、そこまでは気にしなかった颯太はAの純粋な疑問に答えられずに戸惑う。
この世界には横文字の名を持つ人間など存在しないので、聞き慣れないものだった。そもそも、Sって名前としてどうなんだ? とは、世界の住民が思う事は無い訳だが。
「もう片方は“凪斗”という名の探偵だそうですよ。こちらも腕は立つそうです」
「…………腕は、というのは……?」
妙な言い回しをした颯太に気づいたAが、鋭く問いかける。まさにそれだ、と言わんばかりに頷く颯太は、微妙な表情を見せながら彼女の問いに答えた。
「何でも、その者は、それは異常なほどに客を選ぶんです。少しでも気に入らないと思われれば、門前払いも不思議な話ではないのだとか」
「……ちょっと、怖い感じの方なのかもね」
「まあ……(というよりかは、かなり性質の悪い奴って事なんだろうけど……)」
しかしわざわざ遠回しに表現するのは、Aなりの優しさか。彼女のそんな一面ですら、遣いの颯太にとってはちょっとした誇りである。
――ともかく、そんな性質の探偵では、集まる筈の人も集まらず。腕の良さは認められていても、評判はあまり良く無いようだ。
「じゃあ、その“探偵.S”の方を訪ねれば良いの?」
「いえ……それがどうも、そう上手くもいかないらしくて……」
腕の立つ探偵と知られているという事は、その探偵が余程人気者なのだという事だ。そんな者のところでは、客足が途絶える事は無い。先ほど街の者から聞いた限りでも、今は外出中な上に、この先も他の客の予約でいっぱいな状態なのだという。
「そう……その方がいらっしゃらないのなら、仕方がないわ」
「……もう一つの方を訪ねてみますか? 評判は良くありませんが、もし私達の要望が通れば、案件解決も間違いないと言われるほどの探偵ですし」
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フェイル(プロフ) - さにー☆彡さん» 初めまして! コメントありがとうございます! 細々と連載していくつもりでしたのでコメントをいただけるとは思わず、本当に嬉しいです! まだまだ勉強中ですので恐れ多い褒め言葉です;; 今後も頑張らせていただきます、よろしくお願いいたします! (2018年12月9日 21時) (
レス) id: de67700d03 (このIDを非表示/違反報告)
さにー☆彡(プロフ) - 初めまして、突然のコメント失礼致します。とても綺麗な文章に感銘を受けました……！ これからも陰ながら応援しています。更新頑張って下さい！ (2018年12月8日 9時) (レス) id: 632d3b069c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：フェイル | 作成日時：2018年12月1日 22時
