【鬼滅の刃】神様の巫女 弐

＊ ページ33

「えっ！？ Aに呼吸を教えてくれたのは神様なのか！？」


信じてくれた。なんかよく分かんないけど信じてくれた。マジか。すごいな炭治郎。
から、と音を立てて揺れる耳飾りが風情ね、雅ね、とどこか冷静な私が言っている。炭治郎はどうにもこの神様というのが気になるらしく、具体的には何を司っている神様なんだ？ と聞いてきた。


「司る……ってのは無いらしいんだけど、なんか守り神で固定されてるって言ってた」

「守り神？」

「そう。山のね、守り神」

「それは山神様と何か違うのか？」


めっちゃ聞いてくんじゃん炭治郎ー！ どんだけ興味津々なんだよー！


「んー、よく分かんないなぁ……。でも一応、付近に出る鬼倒してたから守り神ってされてるみたいね」

「神様でも鬼を倒せるのか？」

「らしいよ」

「なら、どうして他の神様は鬼を倒さないんだ？」

「基本人の世で起こることに手出しはしないようになってるんだって。私もちょっとあんまり詳しくは知んないけど」

「そうなのか……」


そうなのよ、と頷いて、なんとか理解してくれたらしい炭治郎を見た。これで聞きたいことは全部なのだろうか。……あ、まだ聞きたいことあるって視線ね。


「それで、Aはその神様から教わった呼吸を使ってるのか？」

「そこかー。んとね、私が使ってるのは神様が使う呼吸……あーっと、“神の息吹”っていうんだけどね？ その息吹の派生の派生」

「派生の派生？」

「うん。息吹の派生で“神の呼吸”ってのを作って、その派生で今使ってる“銀(しろがね)の呼吸”を作ったの」

「なんで派生を作ったんだ？ 神様が使う技なら、強いんだろう？」

「神業は人間技じゃないからカナー」


神業を使うにはその分の代償がいる。具体的には骨。私の身体の骨数本。数本で済んでること自体が奇跡な気がする。神業の再現だってのにね。
いやでも再現なのに身体がそこまでボキボキ壊れるんだから、本物ができた時とか私の身体どうなんの。……考えたくない怖すぎる。

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