＊ ページ37
「では、こちらから、玉鋼を選んでくださいませ」
布が取られたテーブルには石が並んでいた。
石、っていうかこれが玉鋼ってやつなんだろうけど、遠目から見てるだけじゃぶっちゃけどれも同じ感じがする。選ぶって何を基準に選ぶんだろうか。
「鬼を滅殺し、己の身を守る刀の鋼は、ご自身で選ぶのです」
「……多分、すぐ死にますよ、俺は」
「ネガティブね〜」
肩に雀を乗せた善逸が心底嫌そうな顔をしている。まあそうね、鬼殺隊に入るってことは死亡率跳ね上がるわけだからね。嫌だよねそりゃ。
まあそれはそれとして。
「はい、あのさ」
手を上げてこっち見てとアピール。さっきから説明をしてくれてた黒髪の子がこっちを向いて、どうかされましたか？ と問うてきた。
「いやあの、私自分の刀……あーっと日輪刀あるから、もういらないっていうか、今はこれで事足りてるっていうか……」
「はァ！？」
自分の脇差を見せながらそう言えば、声をあげたのは顔に傷があるそいつだった。
なんだよ今君に話しかけてないでしょなんだよ。
「では、刀は必要ありませんか？」
「今のところは、一応」
刀多く持ってても荷物になるだけだしね。分かりました、と言った黒髪の子は、視線を私以外の四人に向けている。
「テメ、なんで色変わりの刀持ってンだよ！？」
聞いてきたのは言わずもがな。ええ？ と呟いて、どうしても何もと続ける。
「……貰ったから？」
「誰に！？」
「神様」
「テメェふざけてんのか！？」
ふざけてないんですけど！？ 事実なんですけど！！？ ああでも確かに初対面で事情も知らない輩に神様とか言ってもそういう反応になるよねごめんなさいね！！？？
「いいからさっさと言えよこのブス！」
「…………おん？」
ひっ、と小さな悲鳴をあげたのはやっぱり善逸だった。
あ？ 今なんつったよおい。この美少女に対してブス？ は？ その目は節穴か？ つかそもそも女の子に対してその言葉はなんなわけ？ 喧嘩売ってる？
「っあーー！！ 待て待て待て待てA！ ダメだってそれはやばいってェ！！」
「私 あいつ 斬る」
「言葉カタコトになってるじゃない！！ 落ち着いて！！」
とりあえず腕。腕一本叩っ斬らせてほしい。それでひとまず許すから。いや許さないけど。
刀の柄を握って爛々とした目でそいつを見据える。肩が震えた気がしたが招いたのは自分なのだからしょうがない。
そんなわけで…………オラ手ェ出せやこのトサカ野郎！！！
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ひめ(プロフ) - 手鬼遭遇時の夢主の心中がまさに『平和な日本で生きた転生者』の葛藤でとても惹き込まれました。まあ実際鬼滅世界に放り込まれたらこうなりますわな…って思いが強いです。面白い！！ (2022年11月18日 17時) (
レス) @page50 id: 46aa1d2279 (このIDを非表示/違反報告)
ユズヒ(プロフ) - ルーナさん» コメントありがとうございます！私なりに調べてみたのですが、“一息で言う”という意味で“ノンブレス”と使う方が多く、夢主もそっち側かなぁと思いこちらの単語を使いました。今の所変更する予定はないのですが、読みづらくなっていたのなら申し訳ありません。 (2020年3月28日 2時) (レス) id: 717d8ad01f (このIDを非表示/違反報告)
ルーナ - �爛離鵐屮譽広瓩茲蝓↓爛屮譽好譽広瓩諒�が馴染みがあるます。 (2020年3月27日 23時) (レス) id: f3f2e83d09 (このIDを非表示/違反報告)
ルーナ - �爛離鵐屮譽広瓩茲蝓↓爛屮譴轡譽広瓩諒�が馴染みがあるます。 (2020年3月27日 23時) (レス) id: f3f2e83d09 (このIDを非表示/違反報告)
ユズヒ(プロフ) - ルイリカさん» あ！！？？本当ですね！！？ ご指摘ありがとうございます！ 修正致しました！！ (2020年3月18日 0時) (レス) id: 717d8ad01f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ユズヒ
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作成日時：2019年7月17日 0時
