【鬼滅の刃】神様の巫女 序

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そんでもってどうにも、神様の技を使うには人間の身体能力を底上げしなくてはいけないらしく、その為には鍛錬の他にまず“呼吸”を学ばねばならないらしい。

鬼共は強い。神様は普通に鬼を斬っていたが、あれはそもそも神というものが人間の何倍も強いからであって、神ではない私は瞬間的な身体能力の底上げができなければいけないそうだ。なんでも、持続させると身体がぶっ壊れる……らしい。怖すぎる。


肺に空気をたくさん取り込んで、大量の酸素を血液に回す。そうして瞬間的に身体能力を大幅に上昇させる術、それが“全集中の呼吸”というんだと。いや、もう、本当ふざけないでほしい。
めっちゃお腹叩かれる痛いめちゃくちゃ痛い。中高と演劇部に入っていたからある程度の呼吸法というのは分かるけど、そのレベルじゃない。なんだ肺を増強させるって。ふざけてんのか地獄かここは。



何度文句を言ったか分からない。けれども修行はそんなこと関係なく進んでいき、一ヶ月も経てばその呼吸法がなんとかできるようになった。使った瞬間身体の体温が上がり熱くなる。夏は本当に地獄。

問題は、だ。その呼吸法がやっとできるようになった二ヶ月後。
呼吸法とは短時間の所謂ブーストのようなものだってのにこの神様この野郎、それを一日中やっとけと言い出した。ふざけてんの！？ 馬鹿なの死ぬの！！？
だってお前！ 持続させるとぶっ壊れるって言ったじゃん！ 身体が！！ は！？ 何！？ それは身体が十分に出来上がってなかったらの話！？ はあああ！！？？


二ヶ月の鍛錬でどうにも私の身体はその呼吸……ええっと、常中、っていうのをできるようになっているらしかった。勘弁してほしい。地獄が地獄を呼んでる気分だ。
っていうかそれって三ヶ月でできるもんなの、と聞いたら首を傾げてさあ？ と言われた。殺したくなった。


「そういや今の今まで聞いてなかったけど、神様の言う剣技ってなんて名前なの？」


げんなりした顔で聞くと、神様は腕を組んだまま「言ってなかったっけ？」と返してきた。言ってねぇよ。
呼吸にはそれぞれ基本の流派があり、それに当て嵌まらないものはこのどれかから派生しているんだそうだ。確か基本は、炎・水・風・岩・雷の五系統。それぞれちゃんと特徴があるらしいけど、あんまり詳しくは聞いてない。

で、だ。神様の使うその剣技とやらは一体どれに当て嵌まるのだろうと聞いてみた結果。


「“神の息吹”」


もはや呼吸ですらなかった。

第5話 神の息吹→←＊

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