【鬼滅の刃】神様の巫女 序

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「レイヤーが違う、のかな」

「んむ？ レイヤー？」

「うん。レイヤー……層、って言えば分かりやすいかな。鬼になった瞬間レイヤーが切り替わって見えなくなるんだと思う。多分。鬼と神様じゃ、存在してるレイヤーが違うんじゃないかな。で、鬼が強くなるたびにレイヤーのズレも大きくなる」

「ほう……？ 難しい話じゃな？」

「私もそう思う」


自分でも何言ってんだって自覚はもちろんあるけど、なんだかこの考えがしっくりくる。んー、と唸る神様は、歩きながら私に声を落とした。


「なら、人の子と鬼はどうする？ 鬼になるとレイヤーとやらが切り替わるなら、人の子にも見えんくなるのではないかの？」

「んんんんそこなんだよね。でもさあ、まず人間とあんたって前提条件が違うじゃん」

「というと？」

「人間は神じゃない」


存在が違うんだからそれぐらいの差異はあるのではないだろうか。神だからってなんでもかんでも思い通りになるわけじゃない、とか。
…………百パー私の想像だけど。


「そもそも適用されるレイヤーの枚数が違う。存在の前提が違うなら、多分見えるものも違うのでは、と思うんだけどいかがよ？」

「わからんでもない」


顎を撫でながらそう言った神様は、なにやら考え込んでいるようだった。今更ながらに、神様なんて存在が話を聞いてくれてるなんておかしな状況だと思う。
……昔は。神様なんて見てるだけで何もしてくれないって本気で思ってたのになぁ。


「こんなもんじゃろ」

「え、もういいの？」

「うむ。そろそろ引き上げるぞ」

「鬼、もう出てこないの？」

「いんや、出るじゃろなぁ」

「じゃあもう少しさ」

「バッカじゃのぅお主〜」



「倒し過ぎたら、供え物の頻度が増えんじゃろ？」


まさか神様がこんな小賢しい奴とは思ってなかったけどな。

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