飴を噛み砕いて ページ37
.夏油side
「今日はべっこう飴を作ろうと思います」
やったね。
Aはいつもの笑顔で手を叩く。その笑顔は無感情に見えて少し恐ろしかった。悟の押しに負けた不本意なべっこう飴教室なのだろう。私だってなぜこれを開いているのか分からない。
何故、べっこう飴を作ろうということになったのか。それはこれから一か月前の話。
いつものようにAが呪霊の現れる所に飴を舐めながらやってきたのである。
やたらとでかい黄金に輝くの飴。持ち手は割り箸である。それに悟が酷く興味を示した。自分の家ならもっと高い飴を舐めることが出来るだろうにわざわざどうして作ろうと思うのか。
皆、きっちりとエプロンを身につけている。真剣だ。三角巾までつけている。それには少し笑ってしまった。
「べっこう飴の作り方は至って簡単なんだ」
金属製のおたまに砂糖大さじ1、水は砂糖がひたひたになるくらい入れる。入れすぎてもいいよ、時間が遅くなるだけだからね。なんなら砂糖だって適当でいい。
そう言いながらAはテキパキとクッキングシートと濡れ布巾を準備していく。料理は慣れているのだろうか。迷いの無い動作にほう、と見惚れる。
「あとはコンロの火に掛けて色が変わるのを待つだけ」
色は少し変わったなと思ったら火から離した方がいい。もうちょっとと思った時にはもう焦げ出しちゃうから。
みんな真剣に自分のお玉を見つめている。空気が熱せられてゆらりと空気が揺れていた。あまりに真剣で誰も話そうとしなかった。黙々とおたまの上の砂糖と水がべっこう飴になる瞬間を待ちわびている。
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夏炉(プロフ) - 最後までお付き合い頂きありがとうございました!!私も全力で私好みの作品を作ろうと力を尽くしたのでそう言っていただけると書いてよかったという気持ちになります。閲覧頂きありがとうございました!! (2020年12月30日 17時) (レス) id: 2b945b799d (このIDを非表示/違反報告)
希乃夏(プロフ) - 完結おめでとうございます!!最後まで楽しませていただきました!!終わり方も私の性癖にぶっ刺さりました!!素晴らしい作品を誠にありがとうございます!! (2020年12月30日 14時) (レス) id: 1e5270c5a5 (このIDを非表示/違反報告)
夏炉(プロフ) - お空の蒼い月さん» 閲覧頂きありがとうございます!!対比は私が好きにかけた所なのでそう言って貰えるととても嬉しいです!!もう少しだけ続きますのでぜひお付き合い下さい!! (2020年12月30日 1時) (レス) id: 2b945b799d (このIDを非表示/違反報告)
お空の蒼い月(プロフ) - とても面白かったです…!表現の仕方や移り変わりや対比がすべて美しくて…もうこの作品を読んだあとだと、私の少ない語彙力で素晴らしさを表現できません。素敵な作品をありがとうございます。 (2020年12月30日 0時) (レス) id: 94a6e4722e (このIDを非表示/違反報告)
夏炉(プロフ) - 希乃夏さん» コメントありがとうございます!!お褒め頂いて大変嬉しいです!!更新頑張りますのでよろしくお願いします!! (2020年12月20日 19時) (レス) id: 2b945b799d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:夏炉 | 作成日時:2020年12月15日 20時