Fragment228 ページ28
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朱莉ちゃんの言っている意味がわからないまま、私は騎馬戦に集中した。
まずは女子から騎馬戦が始まる。ペアを組む3人と合流して、土台を作った。
私はもちろん、先頭ではなく後ろのほう。
騎手の子が乗ってスタンバイをする。そしてピストル共に始まった。
やっぱり騎馬戦って事もあってか、見ている周りからは歓声もあり、大興奮のように盛り上がってる様子。
私は組んでる手を離さないように、体制を崩さない
ように無我夢中で必死になった。
今のところ帽子は誰にも取られていない。
だんだん帽子を取られて、組んでる人数が減りつつ
あるところで、私は朱莉ちゃんの組んでるペアと遭遇して、奪い合った。
朱莉ちゃんは先頭ではなくて後ろ。
ふと朱莉ちゃんを見ると、目が合った。
そして、残念なことに、朱莉ちゃんの組んでる騎手の子に帽子を取られてしまった。
朱莉ちゃんはそのまま私の横を通り過ぎる…
「…っ!!」
…いきなり右足がグギッとなって、痛みを感じた。
すぐに下を向けば、なんともなってなくて…
痛みと驚きが同時にきたけど…帽子を取られてしまったから、しゃがんで騎手の子が私から降りた。
すごい思いっきり、蹴られたような感覚で、右足を踏まれたから、少し痛い……
女「A、どうしたの?」
一緒に組んでた子が私に話しかけたから、なんでもないと言うように首を振りながら苦笑いする。
女「…?とりあえず帽子取られたから戻ろ?」
組んでた3人は既に立ち上がってて、私は慌てて頷きながら立ち上がった。
痛みを我慢しながら、3人に着いていくように歩く。
完全に足、捻っちゃったな……
だけど、相手はもうわかってる。
朱莉ちゃんだ…
証拠は…?って聞かれたら、答えられないけど…
びっくりして下を向いた時、朱莉ちゃんの足が私から離れる寸前のところを見てしまった。
だから朱莉ちゃんなのは確実で……
だけど…どうして、そんな事をしたのか…
わからなかった。
白い線に戻った私は、しゃがんで右足を摩る。
「………」
“ …あまり調子のらないでよね ”
騎馬戦が始まる前の朱莉ちゃんのさっきの言葉…
これと関係あるのかな…
私はなにか、朱莉ちゃんに気に食わないような事をやらかしたのか…って、
考えたけど、思いあたらなかった。
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祐莉 - いつも楽しく読ませてもらってます。主人公・高橋君・朱莉ちゃん・井上君の四角関係の予感が強まりましたね。主人公と高橋君は、まだ自分達の気持ちを自覚していないようなので、ライバルの存在は強敵ですね。 (2018年9月18日 0時) (レス) id: ea9cf53e18 (このIDを非表示/違反報告)
ぱるん - 一番初めのやつから見てますけど、今が一番面白いです!投稿がんばって下さい!! (2018年9月9日 17時) (レス) id: d2a836d0c1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みゅぷ〜ま | 作成日時:2018年9月7日 16時