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Fragment229 ページ29







騎馬戦を終えて、残すは昼ごはんと午後の部だけ
だった。




さっきよりかは、右足の痛みはマシになったけど、


捻ってるせいで普通に歩いてるつもりでも、足を引きずってしまう。





周りを見れば生徒はみんな、弁当を持って動き出し
ていた。





私も早く応援席に戻らなきゃ…



きっと沙耶が待ってるだろうし…





そう思いながら歩く…と、その時、



誰かにグイッと腕を引っ張られた。






「…っ!」




瑞「………」





びっくりして後ろを振り向けば、キャップを深く
被った瑞稀が立っていた。





えっ…み、瑞稀…



な、なんで瑞稀が体育祭(ここ)、に…?






瑞「………A、行こ」





驚いていると、瑞稀は掴んでいた私の腕から手首に掴み直すと、そのまま歩きだした。



え……





なんで、ここに居るのか聞こうにも聞けなくて、
私は瑞稀に着いていくしかなかった。




そして、着いた先はまさかの外からでも出入りが
できる保健室…





瑞「すみませーん…って、先生いないじゃん」





ドアを開けると、生徒すらいなくて普通、誰かいるはずなのに、静かで誰もいなかった。



でも、保健室に来たってことは…





瑞「まぁ、いいか…入ろ。A、靴脱いで」




瑞稀に言われるがまま、私は靴を脱いで中に入った。そして瑞稀によって座らされる。





瑞「……Aさ、足…痛めてるよな?」




「……」





え…なんで知ってるの?



瑞稀は私が座ってる目の前にしゃがんでいて、私を見上げるように、真剣に見つめてくる。




嘘…は、つけそうにないかな……




私はメモとペンを応援席のとこに置いてきちゃった
から、コクン…と軽く頷いた。





瑞「…やっぱりな。俺、見てたから」




「…っ」




瑞「靴下、脱いでて」





そう言うと瑞稀は立ち上がって、ステンレスワゴンに置いてある消毒や絆創膏が入ったものを探り始めた。


私は言われるがまま、右足の靴下を脱ぐ。





瑞「えーと…あ、あった」





瑞稀は何かを取り出した後、氷を傍にあった小さい
袋に入れる。
そして私の目の前にまた、しゃがみこんで私の右足
をじーと見つめた。





瑞「……やっぱり赤くなってるなぁ。じっとしてて」





瑞稀は私の右足を持ち上げると、自分の膝上の股に足をのせて、テーピングをしてくれた。




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祐莉 - いつも楽しく読ませてもらってます。主人公・高橋君・朱莉ちゃん・井上君の四角関係の予感が強まりましたね。主人公と高橋君は、まだ自分達の気持ちを自覚していないようなので、ライバルの存在は強敵ですね。 (2018年9月18日 0時) (レス) id: ea9cf53e18 (このIDを非表示/違反報告)
ぱるん - 一番初めのやつから見てますけど、今が一番面白いです!投稿がんばって下さい!! (2018年9月9日 17時) (レス) id: d2a836d0c1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:みゅぷ〜ま | 作成日時:2018年9月7日 16時

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