【灰崎祥吾】訳あって母やってます。

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「まぁ、色々あったが俺はお前らといられて楽しかったぜ」

「虹村先輩……」


私は泣きながら虹村先輩に思わず抱きついた。


「おいおい、泣くなよ。たくっ、しょうがねーな。Aが満足すんまで泣け、な ？」


子供のように泣く私を見て、虹村先輩は優しい抱きしめ返してくれた。


「灰崎、お前はいいのか ？こんなの2度とねーかもしれねーぞ」

「やるわけねーだろ ！」



虹村先輩と別れてから、祥吾が機嫌悪そうにして何も話さない。


「寂しいの ？」

「寂しくねーし」


本当は虹村先輩が離れるのは寂しいんでしょう？色々とお世話になったしね。


「虹村先輩のお見送り、しに行こうね」

「気が向いたらな」

・

今日は虹村先輩の卒業式だ。虹村先輩は式を終えたら、すぐに空港に向かわないといけないらしい。


「虹村先輩、ご卒業おめでとうございます」

「おう、ありがとな。ヤベェ、もう行かねーとな」


あんまり、実感しないな。虹村先輩が帝光中を離れて、居なくなるの。本当、バスケ部も寂しくなっちゃうね。


「あの、お見送りしてもいいでしょうか ？」

「かまわねーが、いいのか ？」

「もちろん。あ、祥吾も一緒に連れて行きます」


私は祥吾を無理やり一緒に空港に連れて行った。

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