【銀魂】空から女の子が降ってきました。８

第三百一訓 ページ9

あの後、私は部屋に戻って机に向かった。



あ、勿論仕事じゃあないよ？



もっと大切なもの。……ま、こんな事言ったらトシに怒られそうだけどー。





＿＿＿私が書いている物…それは手紙だ。





私は総悟達に嘘をついて此処を出るんだから、しょうがない。最後くらい何か残さないとね。








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真撰組の皆へ







これを読んでいる頃には私はもう屯所に居ないんじゃないかな？行方不明になってたりしてね。ウケる。


え、文面くらい敬語を使えって？
最後くらい良いじゃないかー、無礼講だよ許してね。





色々言いたい事はあるけれど伝えたいのは感謝。真撰組とバカ騒ぎしている時だけ私はただの仲間として笑えました。


君達と居ると本当に楽しくて…文字通り家族と居る様だった、本当に有難う。





それと頼みなんだけど、万事屋や妙ちゃんに宜しく伝えておいてくれるかい？神楽ちゃんや妙ちゃんとも心中できなくて大変遺憾ですってね。





嗚呼、あとトシに総悟。
これは銀時君にも伝えて欲しいんだけどさ。





好きになってくれて、有難う。





好意なんて初めてで戸惑ったけれど悪い気はしなかった。でもこんな私に懸想するなんて君達くらいだよ？


君達と会ってから、そろそろ一年だけど、本当に今までお世話になりました。




ごめんね。








暁 A






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『ふぅ、』





手紙を机に置いて、縁側に出る。

手紙に集中していた余り見ていなかったが…もう空は紫色になり日がくれかけていたらしい。





恐らく…もうそろそろクソ親父が迎えに来る。






『＿＿＿っ、』






割り切る為に「さようなら」と言おうとしたが、勇気が出なかった。








代わりに、ツゥ…と頬を伝う水が一筋。







『っあー…雨まで降ってきやがったかな？私っ、て…運悪くなーい？』








(ああ、離れたくないなぁ)








そう思いつつもその夜＿＿私は江戸から姿を消した。



一通の手紙を残して。











＿＿＿＿＿＿＿拝啓、大切な人達へ。





もう、会えないだろうけど……お願いだから、幸せになって下さい。









そして拝啓、未来の私へ。





＿＿＿＿＿＿＿貴方は今、笑えていますか。








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