第二百九十三訓〜朝霧ノ華編〜 ページ1
夢を、見ていた。
優しい母の、懐かしい笑顔と、
憎い男の卑らしい顔。
______「あの人は、本当は優しいのよ」
______「大丈夫、きっと大丈夫だから」
______「あぁ、何で……どうして…?」
「信じていたのに」
「嘘、よね?」
「嘘と言って、お願い」
「嗚呼、A、私の愛しい娘」
_______「ごめんね」
『____ッは!!!』
バッ、!
嫌な記憶が脳裏に浮かび跳び起きた。
『はァ、はァ……ッ、夢、か』
起きた私の目には自室の光景。いつも通りの畳に布団、小物に自 殺グッズ。
どうやら魘されていた様で、身体中汗でベトベト…とても不快だ。
心臓はドクドクと早鐘を打って煩いし熱を出した時の様に頭がガンガンする。
『………お風呂入ってこようかな』
気を取り直す様に立ち上がり、浴室へ向かった。
水浴びをしていたら、すっかり朝になっていた。
__________
______
___
『へ?来客?』
魘され、朝から風呂に入ったその日。
仕度を素早く済ませ、私はすっかり仕事を真面目にしていた(サボっていた)……のだが。
『人の部屋急に開けて来客だ早く来い、だなんて…デリカシー無いですよトシ』
土方「うるせー、とりあえず客だ。ついてこい」
『はいはーい(客?一体誰だろう?)』
トシが言うに、広間で待っているらしい。
『女性でした?男性でした?』
土方「行きゃ分かるだろ、総悟と近藤さんも待ってっから早く行くぞ」
『?はァ、』
トシが何だか気まずそうにしてるな…何だろ。
とりあえず私はトシに続き広間へと足を進めた。
後悔することも、知らず。
__________
______
____広間。
ガラッッ、スパァン!!
『総悟〜!私に来客って誰だっ、た…』
勢いよく開けた襖。
そこにはいつも通りの広間が広がっていた。
違う所があるとすればその場にいる人。広間には、近藤さんと総悟がいた。
…………そして、更にもう一人いて。
『……な、んで、』
その人を見た瞬間、動けなくなった。
『…………父、さん』
あの日…私と母を捨てた父の姿が、そこにはあった。
ー
800人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
トめAと@とめぇーとぉーの精霊:カド松さん:(プロフ) - すごい・・・・・私比較的地雷が多いけれど全く地雷に触れてない・・・・・ここまでおもしろいと思ったのには初めてであいました・・・・・!オリキャラとかもよく殺意がわくけど有君とかぜんぜん腹立たないというかもっとやってくれって思うっていうかもう最高です! (2022年3月30日 6時) (レス) @page34 id: 8b7bdbc23e (このIDを非表示/違反報告)
実珠(プロフ) - 阿呆代表の神さん» すみません、全部知らない……本当にごめんなさいアニメ知識不足で……!!代わりと言っては何ですが他のもののリクエストもっとください!本当にごめんなさい……!!! (2021年5月27日 17時) (レス) id: 5eb1e7fab0 (このIDを非表示/違反報告)
阿呆代表の神(プロフ) - もう銀魂が他の作品に侵食されつつあるの草。あの、もしまだやってなくて知ってるのなら、スケットダンス、ムヒョロジ、ボーボボ、ハガレン(これに至ってはもうジャンプじゃない)…この中でひとつでも良いので、知ってるものがあれば番外編でやって欲しいです…… (2021年5月26日 3時) (レス) id: 10eaece567 (このIDを非表示/違反報告)
実珠(プロフ) - 雲隠れさん» ま、マジですか!?有難う御座います……!感動して頂けるなんて凄く嬉しいです!!これからも頑張ります!!! (2021年5月11日 7時) (レス) id: 5eb1e7fab0 (このIDを非表示/違反報告)
雲隠れ - 泣きました。凄く感動しましたっっ! この小説最高過ぎます…。ヒロインかわいいし面白いし、とにかく最高なので何回も読み返させていただいています。これからも頑張ってください! (2021年5月10日 23時) (レス) id: 9c937fba5d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:実珠 | 作成日時:2020年12月14日 23時