猫目の彼と過去を振り返る[前編] ページ6
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今日はお姉ちゃんに連れられてアジトにやってきた。
でもお姉ちゃんとキドさん、セトさん(荷物持ち)、マリーちゃんは夕食の買い出しへ出かけてしまって今はいない。
私も誘われたけど、9月に入ったとはいえまだまだ暑い中、歩いて出かける気力は無かった。
ヒビヤくんとコノハさんも今日はいなくて、いつも私がアジトへ行くときは絶対についてくるお兄ちゃんも、最近寝てなかったのか部屋で爆睡してたので置いてきてしまった。
あとで絶対に文句言われるよなぁ。
それで「寂しかった」とか言いながらまたくっついてくるよ、きっと。
つまり、まとめると、いまアジトにいるのは私とカノさんの二人なのだ。
無言が気まずいというわけでもなく、特に話すこともなかったので、つけっぱなしになっていたテレビをぼんやり見ていると、カノさんが話しかけてきた。
「そういえばさ、キサラギちゃんとかエネちゃんとかシンタローくんが入ってきた時期って一緒だけど、Aちゃんだけは遅かったよね。」
『ですね』
え?なんかAちゃん冷たくない?とカノさんが貼り付けた笑みを浮かべた。
「キサラギちゃんの他にもう一人妹がいるってことは分かってたんだけどね、シンタローくんが頑なに会わせようとしてくれなかったんだよねー」
そう言われて、私は初めてメカクシ団のみんなに会った時のことを思い出した。
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「オレは絶対に嫌だ。Aをメカクシ団に入れるなんて許すわけねーだろ!」
「でもAだってみんなに会ってみたいって言ってるし!」
私の部屋にて、もう何度目か分からない≪Aをメカクシ団に入団させようか話し合う会≫が行われていた。
「私も妹ちゃんが入れば皆さん喜んでくれると思うんですけどねぇ。ご主人と違って気が利くし。」
「気が利かなくて悪かったな…!」
「と、いうことで!」
エネちゃんが手をパン!と叩いた。
なんか嫌な予感が…
「さっきメカクシ団の皆さんにこの家までの地図を送っておきました!そろそろ来るはずですよー」
「は⁉エネ、お前勝手に…!」
そのとき、ピンポーンと軽快なチャイムの音が聞こえた。
お兄ちゃんとお姉ちゃんと私は顔を見合わせると、誰からともなく階段を駆け下りて玄関のドアを開けた。
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ソラ(プロフ) - おもしろいです!シンタローがお兄ちゃんとか最高じゃないですか!更新頑張ってください! (2019年2月7日 19時) (レス) id: a63cba60e4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ニア@アンサイズ | 作成日時:2019年2月3日 15時