【カゲプロ】いい夢視ましょう？-目を閉じる話-

夢喰ストーリー-Two- ページ9

「おはよー・・・」


「遅いぞカノ」


目を覚ますと、とりあえず皆がいるであろう部屋に向かう。

そこにはキドだけが佇んでおり、他の皆は既にアジトにはいない様だ。


「あれ？キサラギちゃんも帰ったの？」


一昨日メカクシ団に入ってきたばかりの彼女。


そう、今日は“8月16日の筈だった”。

















「ーーーーは？キサラギって誰だ？」


キドの一言に、僕は耳を疑った。

















「・・・あっつ・・・。
暑すぎる・・・」

「ご主人気持ち悪いです」


毒舌悪質ウイルスと共に、俺シンタローはデパートに買い物に来ていた。

今まで二年以上も自宅警備員をしていたお前が何故外に出ている、だって？


決まっているだろう、このウイルスの所為で俺の命とも言えるキーボードが壊れてしまったのだ。


「ああ〜・・・暑い・・・」

「さっきから何回言ってるんですか」

「お前は機械の中だからそりゃ暑さなんて感じないんだろうな」


嫌味を込めてそう告げると、エネは少しだけ寂しげな顔をする。


それに不覚にも高鳴る胸の鼓動を今すぐに止めたい。


くそ・・・ッ、これが18年DTスキルを手放せずにいる俺の宿命かッ！←


「着きましたよ、ご主人！」


しかし、エネのそんな表情もほんの一瞬で、それに気づいた時には既に大きな建物が目の前にあった。

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