カゲロウスタート-Two- ページ16
「はー、楽しかったですねご主人!」
「あー、そりゃもうお前のおかげでとーっても」
夕焼けに染まる空、それはこの後の悲劇の前ぶれ。
美しく舞う蛍が呆気なく命を落とす、儚い命の灯火。
「・・・ん・・・?
何かあったのか?」
一番に気がついたのはキドだった。
「事故、かな?」
「随分と若いな。まだ子供じゃないか」
カノがキドにつられ人混みと救急車が集まる方を見ると、その中心には10歳ほどの小さな少年と、それを心配そうに覗き込む白髪に桃色の瞳を持つ青年がいた。
少年の身体には、妖しく銀に光る鉄柱が痛々しく突き刺さっていた。
「ーーーーコノハ・・・?」
「・・・エネちゃん?」
「?エネ?どうした?」
ぼそり、驚きを隠そうともせずにエネは呟く。
その間にも、救急車は二人を連れ走り出してしまう。
「妹さん!!あの救急車の後を追って下さい!今すぐ!!」
「え!?どうしたのいきなり!?」
「何で・・・何であいつがここに・・・ッ」
いきなりのことに、俺たちはただ戸惑うばかり。
「ーーーーッ!
あの子・・・!」
と、背後からそれを見ていたカノも、何かに気がついたのか笑みを消す。
カノの視線の先には、まるですべてを知っているかのように微笑む、小柄な少女の姿があった。
セトはそれを見て、
「ーーーー愛生、さん?」
呟いた。
「もう少し待ってね、コノハ。
ループまで、あと、さん。
にー。
いち」
ゆっくりと、スローモーションのように揺らぐ視界。
「ーーーーぐにゃり。」
少女が呟くと共に、今まで俺たちがいた世界は、立ち揺らめくカゲロウのように、呆気なく幕を閉じたのだった。
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マイみあ(プロフ) - 初めてまして!!とっても面白いですっ☆2000hitおめでとうございます!!!即お気に入りにさせていただきましたっ笑 (2013年3月15日 0時) (レス) id: 1c0bf0ca35 (このIDを非表示/違反報告)
白院紫蘭(プロフ) - 2000ヒットおめでとうございます。ラブ入りますか。其れは楽しみですね。あ、シンタロー君が死んでいなくて良かったです。(笑 見捨てず、気長に待っています♪ (2013年3月14日 23時) (レス) id: e2d06bce76 (このIDを非表示/違反報告)
ひーか(プロフ) - 大丈夫です!!現実ですから!!では、これからも頑張ってください!!おやすみ〜 (2013年3月14日 22時) (レス) id: bf01b4411b (このIDを非表示/違反報告)
不思議ディスコード - ひーかさん» ありがとうございます!!ホント自分でもビックリです((((;゚Д゚)))))))コレハユメ?マボロシ?? (2013年3月14日 22時) (レス) id: 247e8bd539 (このIDを非表示/違反報告)
ひーか(プロフ) - すごいですね!!2000ヒットおめでとうございます!! (2013年3月14日 22時) (レス) id: bf01b4411b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:不思議ディスコード | 作成日時:2013年3月9日 19時