サッカーオタク、日本一を目指します【イナイレ】 (ページ5)

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―昼休み―
　

『いやだめだ、推しと同じ空間で勉強なんか捗るわけがない』

「A、ずっと落ちつきなかったね…」

午前中の授業はというと、案の定身が入るわけがなかった。

別に席が近い訳でもないが、同じ空間にいるという事実だけでやばい。

彼は私より後ろの席なので、授業中ずっと見てるというストーカーまがいのようなことはせずに済んだことが、唯一の救いだろう。
　

「豪炎寺！」

とその時、守が元気よく豪炎寺君に話しかけていた。

「俺、円堂守！サッカー部のキャプテンやってるんだ。
なあ、お前もよかったら入らないか？木戸川清修って、サッカーの名門だもんな！」

おぉ、流石守。初対面の相手にもぐいぐい行けるの羨ましい。

雷門サッカー部は、お世辞にも強いと言えなく、むしろ弱小サッカー部、として学校では笑いもののような扱いを受けている。
今は11人もおらず試合もできないので、守はいつものように新入部員来ないかなぁ、と呟いていた

「サッカーはもう辞めたんだ」

「『え？』」

「やめたって、どうして…」

「俺に構うな」

豪炎寺君の視線は、守から外に向けられた。
　

…サッカーをやめた…？
確かに、一年前のFFの準決勝から一度も試合に出たところは見たことないけど…

まさかの彼の言葉に、私は空いた口が塞がらなかった

「円堂！」

その時、同じくサッカー部の半田が守を呼んだ。

「冬海先生がお前を呼んでる。校長室に来いってさ」

「校長室？」

「あぁ。…俺、嫌な予感がするんだ。例えば、廃部の話とか」

「廃部！？」

『あー…噂のやつね…』

「私も聞いたことある…」

11人もそろっていない、弱小サッカー部。
勿論試合もできない。そんな部活に…と、廃部の噂は学校中に広まっていた話だ。

「冗談じゃないぞ！廃部になんてさせるもんか！！」

　
力強くそういうと、守は教室を飛び出して行った。

　
『…秋ぃ、私今年一度も試合してないのに廃部は嫌だよ…』

「だ、大丈夫よ！…多分」

　
　
豪炎寺君が転校してきたと思ったら、校長先生からの呼び出し…超絶いいことか超絶悪いことしかないのか……。