祈り、復讐の鬼は。【ht】 ページ43
｢A、おはよう。｣
いつも通り、優しい声によって
私の意識は現実へと浮かんでいく
閉じていた瞼を開けると
ひとらんが微笑みながら頭を撫でてくれた
｢A、今日も起きれてえらいね。
もうすぐ祈祷の時間だけど大丈夫？｣
｢…ん、だいじょうぶ…。
でももうちょっとだけ寝てたいなぁ…。｣
｢俺もそうしてあげたいけど
Aのお祈りがないとお祭りが出来ないでしょ？
まったく、…しょうがないなぁ。｣
彼はやれやれ、と言いながら
私を起こして髪を撫でる
｢とりあえず朝ご飯食べて、着替えて髪の毛も結って…
それから祈祷しに行こうか。
全部俺がやるから、いつも通り任せてね。｣
その言葉の通り、ご飯を食べさせてもらい
着替えを手伝ってもらって髪の毛も結んでもらった
私は毎日、ひとらんの横でお祈りをしている
所謂｢聖女｣というやつ。
物心ついた時から、私の傍にひとらんが居て
普段の生活から護衛まで全て彼が担っている
私の祈りはどうやらすごいパワーがあるらしい。
神様の恩恵を受ける為、
私が毎日欠かさずに指を絡めて神様へ祈祷を捧げる
今日もお外が平和でありますように
今日も平穏に過ごせますように
災害が起きませんように
食べ物に困りませんように
国がより豊かになりますように
その願いを聖女が欠かさず伝えることで
国に住む人々は幸せに暮らしていける
いつか見てみたいけど、私は此処から出られない
私は神様のお傍に居ないといけないから
この教会から出たことがない
聖女が居る教会には、常に警備隊が警備していて
どんな人でも此処に入ることを許されない
だから、私にはひとらんしか居ないの
だけど…。
｢ん、今日もちゃんと祈祷出来たね。
じゃあ早く部屋に戻ろうか。
もうすぐ国で1番大事なお祭りの時期だし、
Aに何かあったら大変だからね。｣
差し出された左手を握りながら
私は意を決して言葉を紡ぐ
｢…ひとらん、私、今年はお外に出たい。
お祭りがどういうものなのか見てみたいし、
お外の人に会ったことないし。
お祭りの儀式はいっぱい頑張るから、
だからお外に出てみたいの。｣
｢…どうして？
外の人になんて会わなくても、
俺が居るんだから問題ないよ？
祭りが気になるんだったら俺が教えてあげるから。
お外は危ないんだから、Aは出たらダメ。｣
いつも通り、優しく微笑むひとらん。
──────刹那、彼の手に強く力が入った
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ぽやま。(プロフ) - mariaさんコメントありがとうございます！設定はかなり意識してます！気づいて貰えて嬉しいです✨ (2023年2月19日 19時) (
レス) id: 23fa074e26 (このIDを非表示/違反報告)
maria - 占い師コネシマ・・・たしかに魔主役の最後のあとがきで祈禱師コネシマっていっていたけれど・・・ (2023年1月16日 1時) (レス) @page42 id: 2d8c9edfbf (このIDを非表示/違反報告)
ぽやま。(プロフ) - 塗さん有難うございます！更新は遅いですが見て頂けて嬉しい限りです！ (2023年1月3日 0時) (レス) id: 23fa074e26 (このIDを非表示/違反報告)
塗 - この作品、私のお気に入りです‼️最近寒いので、体調には気を付けて下さいね。 (2022年12月7日 7時) (レス) @page6 id: d1b072df9a (このIDを非表示/違反報告)
ぽやま。(プロフ) - 朝さんコメントありがとうございます！感想嬉しいです。続きぜひぜひ楽しんでください (2022年5月21日 14時) (レス) @page26 id: 215bd6f50b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぽやま。 | 作成日時：2022年1月20日 8時
