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｢っ？…あれ？…なんで、だろ…？｣
お兄ちゃんに渡された赤いハンカチで
目を押さえつけるけど、それでも涙は止まらなかった
｢…A、なんかあったやろ。
教えてくれへん？
苦しんでるAを見るの、辛いわ…。｣
太い眉を下げて、困ったような顔をする
あぁもう、そんな顔されたら隠す事なんて出来ないよ
｢っあ、あのね…
…私、お勉強凄く頑張ってるんだけど
それが上手くいかないって言うか…
お母さんに、褒められたことなくて
｢もっといい点取りなさい｣っていつも怒られるの
私がもっと頑張らないといけないのかな、
でも、あとどれ位勉強しないといけないの…？
もうこれ以上何したらいいのかなんて、
分かんなくて…っ、！｣
言葉の途中で
突然、身体を包み込まれる感覚に襲われる
優しくて、力強くて
お兄ちゃんに抱きしめられていると理解するのに
時間はかからなかった
｢…お兄ちゃん…？｣
｢…ごめん。ごめんなぁ、僕がちゃんと見ておけば
Aが辛い思いせずに済んだのに…。
もうそんな思いさせへんからな。
…全部、お兄ちゃんに任しとき。｣
ぽんぽん、と優しく頭を撫でられる
お兄ちゃんの暖かさもあって、
最近寝ていない身体は限界だった
｢せや、お茶入れたるわ。ゆっくり休み。｣
そう言うと、お兄ちゃんはキッチンへ向かい
直ぐに温かいお茶を持ってきてくれた
そういえば、温かいものって最近食べてなかったな
冷えたご飯すら食べる気力もなかったし…
空っぽの胃の中を宥めるようにお茶が落ちていく
身体の内側が熱を持つと、それは全体に広がる
その感覚と同時に眠気がふわふわと頭を包んでいく
泣いて、疲れたのかなぁ…？
｢…A、どうした？眠いんか？｣
｢…んん、ちょっとだけ。…でも平気だよ。｣
｢…大丈夫やで。
Aが眠っても怒る人は居らんからな。
何かあったら僕がやっとくから、今のうちに寝とき。｣
お兄ちゃんの言葉に逆らえず、
瞼はゆっくりと下がっていく
｢…きょうの、塾の準備しないと…｣
｢そんなん起きた後でええって。｣
｢予習と、復習と、テキストの解き直し…｣
｢しっかり寝るのも勉強のウチやで。
…な、お兄ちゃんの我儘聞いてくれへん？｣
｢……ん、…。｣
ふわふわと優しい声に包まれながら
深い眠りに落ちていった
｢…今のうちに、掃除しとくな。｣
その声は、眠気でかき消されてしまった
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ぽやま。(プロフ) - mariaさんコメントありがとうございます！設定はかなり意識してます！気づいて貰えて嬉しいです✨ (2023年2月19日 19時) (
レス) id: 23fa074e26 (このIDを非表示/違反報告)
maria - 占い師コネシマ・・・たしかに魔主役の最後のあとがきで祈禱師コネシマっていっていたけれど・・・ (2023年1月16日 1時) (レス) @page42 id: 2d8c9edfbf (このIDを非表示/違反報告)
ぽやま。(プロフ) - 塗さん有難うございます！更新は遅いですが見て頂けて嬉しい限りです！ (2023年1月3日 0時) (レス) id: 23fa074e26 (このIDを非表示/違反報告)
塗 - この作品、私のお気に入りです‼️最近寒いので、体調には気を付けて下さいね。 (2022年12月7日 7時) (レス) @page6 id: d1b072df9a (このIDを非表示/違反報告)
ぽやま。(プロフ) - 朝さんコメントありがとうございます！感想嬉しいです。続きぜひぜひ楽しんでください (2022年5月21日 14時) (レス) @page26 id: 215bd6f50b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぽやま。 | 作成日時：2022年1月20日 8時
