空色は濁る。【kn】 ページ25
既に空は真っ暗だった
腕時計に目をやると時刻は既に22時を過ぎていた
なんつーブラック企業だ。
まぁ納品予定日近いし当然なんだけど
今の仕事がひと段落したら有給使って
まとめて休みを取って自堕落な生活をしてやろう、
なんて考えながら玄関の鍵を差し込んで回す
ガチャ、と音を立てて扉の内側に身体を入れると
鼻の粘膜が刺激される匂いがする
｢…シッマ、また煙草吸ったな…｣
薄手のジャケットを脱ぎ、
鞄を定位置に戻しつつ匂いの方向へ進む
寝室へ向かうと煙の匂いは一層濃く感じる
背を向けてベットに腰掛けてながら
もうもうとした煙を口から吐き続けている彼…
コネシマは私が来たことを感じたのか、振り返った
｢…なんや、帰ってたんか｣
｢そーだよ。てか部屋で煙草吸わないでよ。｣
再三言っていた事を繰り返すと彼はじっと私を見つめる
｢…何、どしたの｣
｢気付かへんの？俺が言いたいこと。
胸に手ぇ当てて考えてみぃや。｣
何を言っているのか分からなかった
同じ会社に勤めているけど部署は違うし仕事の話じゃない…はず
｢…分からへんのか、お前。
…お前、やったやろ。浮気。｣
脳の処理に時間がかかったが、
私の頭に｢浮気｣、という言葉が浮かぶ
｢…は、何言ってんの、浮気してないけど。｣
｢嘘つくなや。しとったやん。…おい、A。｣
少し低い声、怒っているらしいが理由が分からない
戸惑っているとコネシマは大きな溜息をついて私の腕を掴む
｢え、何─────…
｢何するの｣と聞く前に身体はシッマの方に引っ張られる
ベットに倒れ込むと力任せに仰向けにされて
腕を抑え込まれたまま、馬乗りの体制になる
｢ちょっと、何してんの！退いてよ！シッマ！！｣
腕や足を動かして脱出しようするが、
流石に成人男性には勝てない
私の上で煙草を深く吸うと、煙を吐きながら喋り出す
｢…██やっけ？お前の同期。
一緒のプロジェクト担当らしいやん。
仕事やから俺も我慢した。
…なのにAはなんで、
俺の気も知らずに食事に行ったりするんや？
何で2人で残業したりするんや？俺がおるのに。
なぁ、おかしいやん。…何か言い訳あるか？｣
彼は吸いかけの煙草をベット脇の灰皿に置く
その動作があまりに冷静で、余計に混乱した
理解できなかった。
何言ってるの？そんなの、浮気じゃないじゃん
｢冗談はやめてよ。そんなの浮気にならないじゃん。｣
少し強めに言うと、水色の瞳は揺れて、濁った
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ぽやま。(プロフ) - mariaさんコメントありがとうございます！設定はかなり意識してます！気づいて貰えて嬉しいです✨ (2023年2月19日 19時) (
レス) id: 23fa074e26 (このIDを非表示/違反報告)
maria - 占い師コネシマ・・・たしかに魔主役の最後のあとがきで祈禱師コネシマっていっていたけれど・・・ (2023年1月16日 1時) (レス) @page42 id: 2d8c9edfbf (このIDを非表示/違反報告)
ぽやま。(プロフ) - 塗さん有難うございます！更新は遅いですが見て頂けて嬉しい限りです！ (2023年1月3日 0時) (レス) id: 23fa074e26 (このIDを非表示/違反報告)
塗 - この作品、私のお気に入りです‼️最近寒いので、体調には気を付けて下さいね。 (2022年12月7日 7時) (レス) @page6 id: d1b072df9a (このIDを非表示/違反報告)
ぽやま。(プロフ) - 朝さんコメントありがとうございます！感想嬉しいです。続きぜひぜひ楽しんでください (2022年5月21日 14時) (レス) @page26 id: 215bd6f50b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぽやま。 | 作成日時：2022年1月20日 8時
