林檎の蜜は酷く甘い。【tn】 ページ24
籠から一つ林檎を取り出し、
小人の家から出てきた彼女に手渡す
｢わぁ、なんて美味しそうな林檎！｣
｢よかったら今食べてみてくれへんか？
君の感想が聞きたいわ。｣
喜んで、と微笑む彼女は
白い頬に薄桃の花が咲いたように
頬を染めるお姫様。
かしゅ、と軽い音を立てて林檎をかじり、
嚥下した瞬間に彼女は床へ倒れ込む
…あーあ、ダメやん。
人をそんな簡単に信頼したら、
直ぐに毒を盛られて死んでまうよ
こんなふうに。
────────ころん
足元へと転がったのは
小さな歯型が残る林檎
倒れたAをふと見ると
林檎の蜜が彼女の唇に艶を宿していた
今すぐその唇にキスを落としたい
舐めて、舌を入れて、そんで…
あぁいかん、今はそんなん考えてる場合ちゃう。
倒れたAを抱き起こす
｢…あは、A。林檎は美味しかったか？
俺が大事に大事に作った林檎やねん。
騙してごめんなぁ〜…。
でも、これもAのためやから。
大丈夫やで。
小人は全員殺したし、
狩人も豚の餌にしたんや。文字通りな。
…嗚呼、王子も殺したで。
ぐっちゃぐちゃにして殺したんや。
あ、ちゃんと片付けはしたから安心しいや。
彼奴はAを誑かした悪魔やから。
さてと、一緒に帰ろうか。
お家に帰って、逃げないように捕まえて、
その後キスして起こしたるから。
んふ、愛しとるで。｣
何処かの御伽噺では
お姫様を城から簡単に逃がしてしまう
何でそんな事するんやろ
逃がしたから、王子とかいう悪魔に拐われるんやで？
さっさと殺してしまえば全部こっちのもんや。
俺はAが欲しいと思った
だから逃がさない。…一生、逃がさへん。
くそ、狩人め
俺の知らない内にAを城から逃がしやがって
お陰で苦労したんやぞ
…でも、もうこの世にいない奴やし、
Aも戻ってきたしまぁええか。
小人も狩人も王子も要らない
この物語には俺とAだけ。
口付けはまだ出来ないから
額にそっとキスをする
｢…はぁ、可愛いなぁ。
いっそこのまま硝子の棺桶に入れて
部屋に飾りたいわぁ…。
…ふふ、冗談やって。
もう逃げたらいかんで？
次に城から逃げたら籠の中に入れて
手足の健を切って
何処にも行けないようにするからな。｣
肩と膝に手を回して優しく持ち上げる
｢じゃあ帰ろうか。俺たちの家に。｣
黒髪、白い肌、赤い頬と唇。
俺だけの大切なお姫様
大好きやで。俺の白雪姫。
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ぽやま。(プロフ) - mariaさんコメントありがとうございます！設定はかなり意識してます！気づいて貰えて嬉しいです✨ (2023年2月19日 19時) (
レス) id: 23fa074e26 (このIDを非表示/違反報告)
maria - 占い師コネシマ・・・たしかに魔主役の最後のあとがきで祈禱師コネシマっていっていたけれど・・・ (2023年1月16日 1時) (レス) @page42 id: 2d8c9edfbf (このIDを非表示/違反報告)
ぽやま。(プロフ) - 塗さん有難うございます！更新は遅いですが見て頂けて嬉しい限りです！ (2023年1月3日 0時) (レス) id: 23fa074e26 (このIDを非表示/違反報告)
塗 - この作品、私のお気に入りです‼️最近寒いので、体調には気を付けて下さいね。 (2022年12月7日 7時) (レス) @page6 id: d1b072df9a (このIDを非表示/違反報告)
ぽやま。(プロフ) - 朝さんコメントありがとうございます！感想嬉しいです。続きぜひぜひ楽しんでください (2022年5月21日 14時) (レス) @page26 id: 215bd6f50b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぽやま。 | 作成日時：2022年1月20日 8時
