検索窓
今日:6 hit、昨日:4 hit、合計:122,520 hit

その48 ページ3

中はいたってシンプル。


黒で統一された部屋に机やベット、クローゼットなどがあるだけ。


…お兄ちゃんの部屋と似てるかも。


なんて思いつつ部屋を眺めていると、黒木先輩が苦笑する。



「そんなにジロジロ見てもなんにもないよ?」


「あ、すみません……ただ、お兄ちゃんの部屋と似てるなあと思って。」


「へぇ……立花さんの部屋もこんな感じなんだ?」



私が頷くと嬉しそうに顔を綻ばせた。


お兄ちゃんって誰から見ても憧れなんだよね…


何にもない私とは大違いだなぁ。


私と黒木先輩は机を挟んで向かい合って座った。



「じゃあ……まずは奈子ちゃんの話から聞こうか?」


「わかりました。」



頷きかけて、そこで気付く。



「あの……ここって防音ですか?」


「まあ、一応ね。100%って訳じゃないと思うけど。」



なら、大丈夫だよね。



「実は、今Z長について調べてるんです。」


「……へぇ〜奇遇だね。俺もだよ。」


「ええ!?そうなんですか!?」



あ、じゃあやりやすいかも!



「じゃあ黒木先輩はどこまで知ってますか?」


「俺は……Z長が誰かは知ってる。」



あ……知ってるんだ。


なら、話が早い。



「あの、私に協力して欲しいんです。」


「例えばどんな?」


「Z事務局の人を脅すのに、です。」



私がそんな事を言ったのに驚いたのか、黒木先輩は目を見開く。



「なんでまたそんな事を?」


「クラブZって男しか入れないんですよね?それなのに、Z長が女だって知ったら……」


「反感を買うと?」



頷くと、黒木先輩は考え込んでしまった。


私は必死にお願いする。



「お姉ちゃんを守りたいんです!!」



しばらくして、やっと黒木先輩が顔を上げた。



「奈子ちゃん、アーヤがZ長だって…本人から直接聞いた?」


「あ、まだお姉ちゃんから直接は聞いてません。なかなか聞く勇気が出なくて。」


「ってことは、予測なんだね?」



私は不思議に思いつつも頷く。


なんで黒木先輩はそんな聞き方するんだろう?


まるで自分が知らなかったような…


あ、もしかして……本当は知らなかった!?


私が聞こうと口を開いた瞬間、黒木先輩が声を漏らす。



「おかしいな……」


「え………?」



おかしい?

その49→←その47



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (98 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
106人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

#モモ# - 続き早く読みたいです!がんばれ~~~ (2021年8月16日 21時) (レス) id: a8579e89ad (このIDを非表示/違反報告)
#モモ# - 続き早く読みたいです!がんばれ~~~ (2021年8月16日 21時) (レス) id: a8579e89ad (このIDを非表示/違反報告)
RINA - 更新頑張ってください! (2021年8月6日 3時) (レス) id: cf25b8f4f7 (このIDを非表示/違反報告)
ふわ〜♪(プロフ) - とーーーっても面白かったです!最新頑張って下さい! (2020年8月12日 13時) (レス) id: e8b4fa3dd7 (このIDを非表示/違反報告)
lkwisterven - マロンたんさん» はなまるつけます! (2019年8月10日 15時) (レス) id: c9c05fe7f4 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:エリジャ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/erijya/  
作成日時:2017年4月29日 16時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。