絶対にバレてはいけない私のヒミツ【KZ】2nd

その57 ページ13

しばらく先輩を見て微笑んでいると、だんだん先輩の表情が険しくなっていった。


えっ、私、なんかした？


笑みを急いで消して慌てていると、響也先輩の肩が震え始めた。


あれ、もしかして怒らせちゃった！？


謝ろうと席を立ちかけたその時。


響也先輩が堪えきれないといったように、天を仰いで声を上げた。



「……いつまで笑ってるの？」



笑いながら言っているせいか、声が震えている。



「えっ…だ、ダメでしたか？」


「いや、ダメじゃないんだけど………なんでそんなに俺の顔見て笑ってるのかなーって思ってさ。」


「響也先輩の顔を見て笑ってるわけじゃないですよ？」


「ははっ……うん、わかってる。」



えっと………


響也先輩はなにが言いたいんだろう？


首を傾げると、響也先輩がまとめてくれる。



「まあ要するに、奈子ちゃんが面白いってこと！」


「は、はあ………」



みんなして私を面白いって言うけど、そんなに面白いかな？


私、ボケてるつもりはないんだけ………


あっっ！！


そうだ、探らなきゃ！！


唐突に思い出し、安堵と焦りが交わる。


思い出せて良かった……けど、どうしよう。


響也先輩、意外と鋭いんだよなあ。


なんて切り出せばいいかなあ？



「えっと……先輩。」


「ん、なに？」


「ふと気になったんですけど、イーヴ先輩ってコードネームなんですよね？」


「うん、そうだよ？」



当たり前の顔で頷く先輩。



「じゃあ響也先輩ってコードネームなんですか？」


「……コードネームだと思う？」



質問を質問で返されて、焦る。


これって、なんて返せばいいんだろう？


思ったことを言えばいいの？


どう思う？って言われたんだから、思ったままに言えばいいんだよね？


大きく深呼吸してから、ゆっくり返答した。



「えっ…と………違うと思います。」



先輩の顔を食い入るように見つめて答えを待つ。


しかし、返事がこない。



「せ、先輩？」



私が先輩を呼ぶと、やっと口を開いた。

アンケート結果→←その56

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す