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その47 ページ2

「まだG始まるまで時間あるよね?」


「はい。」



一度深く頷いてから付け加える。



「あの…実は私も黒木先輩と話がしたかったんです。」


「…それは良かった。じゃ、俺の部屋で話そっか。」



私が頷くのを確認してから、黒木先輩は歩き始めた。



「奈子ちゃんは何で俺と話したかったの?」


「えっと……ここじゃ言えない話です。」


「そっか…じゃ、俺と同じ感じかな?」


「え…………?」


「いや、何でもない。」



そう言うと再び前を向いてしまった。


そのまま沈黙が続く。


き、気まずい……


なんか話さないと!!



「あの……!」



前を歩く黒木先輩に向かって叫ぶと、足を止めてゆっくり振り向いた。



「ん…なあに?」


「え、えーと………へ、部屋ってどこなんですか?」


「すぐそこ。」


「へ……?」



黒木先輩が指差した先には扉がたくさんあって、前から二番目のところに"黒木"というプレートがかかっていた。



「あ、意外と近かったんですね。」


「ん、俺は準レギュラーだから階段よりエスカレーターの方が近いんだ。」



そこで私はうん?と首を傾げる。



「なんで準レギュラーの方がエスカレーターが近いんですか?」



普通なら、エスカレーターに近い方がレギュラーとか位の高い人だよね?


頭の上にはてなマークを浮かべていると、黒木先輩はクッと笑い声をあげる。



「基本的にZは階段移動なんだよ。体力をつけるためにね。だから、位の高い人ほど階段に近くなっているんだ。」



へえ……!


つまり、近くにエスカレーターがあっても使えないってことだよね。


可哀想……


私たちGはいつも使ってるのに。


結構階があるからキツイだろうなぁ。


なんて思っていると、黒木先輩がその間に扉のロックを解除してくれた。



「さ、中へ入ろうか?」



私が頷くと扉を開けて、手を出す。



「お先にどうぞ、お姫様。」



その仕草は本物の執事みたいで、なんだかカッコ良かった。


こんなのをお姉ちゃんはいつもやってもらってるんだ……


凄いなぁ……


そう思いつつ中へ入った。

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#モモ# - 続き早く読みたいです!がんばれ~~~ (2021年8月16日 21時) (レス) id: a8579e89ad (このIDを非表示/違反報告)
#モモ# - 続き早く読みたいです!がんばれ~~~ (2021年8月16日 21時) (レス) id: a8579e89ad (このIDを非表示/違反報告)
RINA - 更新頑張ってください! (2021年8月6日 3時) (レス) id: cf25b8f4f7 (このIDを非表示/違反報告)
ふわ〜♪(プロフ) - とーーーっても面白かったです!最新頑張って下さい! (2020年8月12日 13時) (レス) id: e8b4fa3dd7 (このIDを非表示/違反報告)
lkwisterven - マロンたんさん» はなまるつけます! (2019年8月10日 15時) (レス) id: c9c05fe7f4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:エリジャ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/erijya/  
作成日時:2017年4月29日 16時

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