＃２９ ページ32
若武ｓｉｄｅ
「気をつけろ・・・何かいる。」
黒木が今までにないほど、静かで警戒した低い声を出した。
言われなくても分かってら。
「いいか。背中合わせに固まるんだ。離れんなよ。」
リーダーらしく指示をすると、頷くのが気配で分かった。
しかし。
「わあ！？痛っ！！！」
「「小塚っ！？」」
小塚の悲鳴が走り、思わず後ろを振り向いた、その瞬間。
ドンッ！！
「がっ・・・！！！」
俺は思いっきり、誰かに蹴られ、思わず両手を地面についた。
「若武っ！」
次々と、何者かに襲われていくのが音でわかる。
ちっくしょう・・・！
負けてられっか！！！
俺は立ち上がり、気配を探った。
何度か相手にも拳を入れてやったが、最後に倒れたのは俺だった。
「な、んなん、だよ・・・！！」
よく目を凝らせば、すぐ近くに他のメンバーも息を切らして、倒れている。
気絶しているやつはいないらしい。
よかった・・・。
その時。
ガチャン
倉庫の扉が開き、俺達は顔だけでもそっちを向いた。
その光のおかげで、俺達を攻撃したのは１５人程の男共だとわかる。
しかし、扉のところにいる奴は逆光でよく見えない。
「あーあ。大人しく傷ついてれば、痛い目にならなかったのにね。」
誰だよ・・・！
「りょうか、わ・・・？」
美門がそう呟いた。
そして、そのりょうかわがクスッと笑った。
「そーだよっ！翼先輩っ♪鼻が効くはずなのに、声聞くまでわかんなかったとか、
そうとうやられたんだね。ま、自業自得だけど。」
先輩・・・？
あっ！あいつか！！美門が話してた、涼川 怜央！！
「全く。彩ちゃんに避けられてんだから、
そのまま近づかなければこんなことになんなかったのに。バカだね。」
「くそっ・・・！」
体が動かない。
「でもびっくりだよ。まだ彩ちゃんのこと想ってただなんて。
今頃、あの女と仲良く探偵ごっこしてると思ってたからさ。
あ、あの女っていうのは、僕が騙して送り込んだ、森田美優ね。」
森田美優。
あとから調べて分かったんだが、
あの時、アーヤがいじめてたんじゃない、アーヤがいじめ
その主犯が森田美優。
俺達を騙して、引き裂いた張本人だ。
「思い出した？驚いたでしょ。
じゃ、僕はもう行くよ。あ、もしこの事彩ちゃんに言ったら、どうなるか分かってるよね？」
涼川はそう言い残し、消え去った。
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りぃな(プロフ) - 桜さん» ありがとうございます！！がんばりますね！！ (2019年8月31日 13時) (
レス) id: 8b4bde61c2 (このIDを非表示/違反報告)
桜 - すごく面白いです！更新頑張ってください！ (2019年8月31日 6時) (レス) id: 719e5a0d68 (このIDを非表示/違反報告)
りぃな(プロフ) - hiho0227さん» ありがとうございます！！がんばります！！ (2019年8月27日 18時) (レス) id: 8b4bde61c2 (このIDを非表示/違反報告)
hiho0227 - とっても面白いです！更新頑張ってください！ (2019年8月27日 17時) (レス) id: 8b1270c1d0 (このIDを非表示/違反報告)
りぃな(プロフ) - ひなさん» ありがとうございます！楽しみにしてくれる人がいて嬉しいです！ (2019年8月26日 10時) (レス) id: 8b4bde61c2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りぃな | 作成日時：2019年8月16日 23時
