＃１４ ページ17
小塚ｓｉｄｅ
あの若武が、自分から謝った。
高校生になった今でも、この先ありえないだろうと思っていたのに。
それほどに、必死で、アーヤが大切なのだろう。
そう思うとなんだか笑えてくる。
「・・・何笑ってんだよ、小塚。」
若武が口を尖らせて聞いてくる。
「いや、こんなこともあるんだなって。」
言葉にすると、余計笑いが止まらなくて、そんな僕に釣られたのか、
次第に他のメンバーも笑い出す。
「いやぁ、若武センセ！成長したね！」
「明日、空から弓矢でも降ってくるんじゃないか？」
「七鬼、それを言うなら、槍、だろ。」
「長い付き合いだけど、初めて若武先生が素直になった気がするな。」
僕もつい、一緒になって笑い続けてしまったけど、
これだけ言いたい放題言われて、若武が黙っているはずがない。
「・・・お前ら、黙って聞いてりゃ好き勝手言いやがって！！」
しかし、それは僕達を鎮めるどころか、逆に爆発するように笑わせた。
「おい！黙れって！おい！！」
それでも笑いは収まらなくて、やっとの思いで笑いをこらえた黒木が、仕切り直す。
「・・・ふう。悪かったよ、若武。さ、アーヤをどうするか、仕切り直そう。」
「いくら似てても、別人ってこともある。本人確認が最優先だろ。」
いち早く切り替えた上杉に、美門が反論する。
「いや、間違いない。あれは、アーヤだ。すれ違った時、アーヤと同じ匂いがした。」
美門の鼻が言うんだから、間違いないね。
・・・いや、美門が言うなら、かな？
僕はふと、となりの空席を見つめる。
こんな時アーヤがいてくれれば、
きっとふわりと花のように笑って、間違いを正してくれてたんだろうなぁ。
僕は首を振って、会議に意識を戻す。
またその日を迎えるために、今こうして会議をしてるんだから、集中しなくちゃ。
「〜あ〜もう！要するに、というか、最終的に、
アーヤに接触して、話し合いをして戻るよう説得するんだろ？
だったら、回りくどいことしてねーで、最初っからいきゃいいじゃね−か！」
少しの沈黙。
やがて、美門と黒木が息をついた。
「だな。若武先生に１票。」
「ん、Simple is the best でしょ。」
その声に、次々と賛成が上がり、結局、
まず、美門がアーヤに接触し、若武の家に来てもらい、そこで話し合う。という、
昔ケンカをしたときと同じ、懐かしい戦法に決まった。
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りぃな(プロフ) - 桜さん» ありがとうございます！！がんばりますね！！ (2019年8月31日 13時) (
レス) id: 8b4bde61c2 (このIDを非表示/違反報告)
桜 - すごく面白いです！更新頑張ってください！ (2019年8月31日 6時) (レス) id: 719e5a0d68 (このIDを非表示/違反報告)
りぃな(プロフ) - hiho0227さん» ありがとうございます！！がんばります！！ (2019年8月27日 18時) (レス) id: 8b4bde61c2 (このIDを非表示/違反報告)
hiho0227 - とっても面白いです！更新頑張ってください！ (2019年8月27日 17時) (レス) id: 8b1270c1d0 (このIDを非表示/違反報告)
りぃな(プロフ) - ひなさん» ありがとうございます！楽しみにしてくれる人がいて嬉しいです！ (2019年8月26日 10時) (レス) id: 8b4bde61c2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りぃな | 作成日時：2019年8月16日 23時
