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·若武side



「ほら、昨日は夜は晴れていたけれど、夕方までは酷い雨が降ってたよね。それでアーヤの家の庭はあまり水はけが良くなかったのは知ってるでしょ?」




その言葉に頷き、ハッとした。
他の奴らも思い当たったのか、慌てて庭に出て、確認する。

そこには遺体を運んだりする際についたと思われる人間の足跡はあるものの、熊のような足跡は一切なかった。




「今日、朝ここに来た人の足跡さえ残っているのに、体重が重く、足跡の残りやすい熊の足跡は1つもない。つまり、祐樹さんたちを襲ったのは熊ではないってことだよ。」




その言葉に唇を噛み締めた。熊じゃないってことは...




「...人間、か......」




小さくそう呟くと匂いにやられてほとんど瀕死状態の美門が首を横に振る。




「それは違うでしょ。だって、ここ、何か変な匂いする。獣ではないけど、獣臭いというか...ほら、そこの畳の切れてるとこ。そこから特に匂うから間違いない。」




美門の指さした方向を見ると、確かにザックりと切られている畳が見えた。畳の下まで見える。




「随分深いな。」




そこをスっとなぞりながら、黒木が眉間に皺を寄せた。
それを見つめながら、俺はぱっと顔を上げる。


閃いた!!




「あっ、じゃあやっぱり熊だったんじゃね!?ほら、庭から入ってきたんじゃなくて玄関から、とか!」





これで解決だろ!!
ふんと満足して大きく頷いていると上杉がハッと鼻でバカにしたように笑う。





「お前やっぱりバカだろ。」



「なっ...どこがだよ!!」



「考えてみろ。仮に熊だとしてならどこから入ってきたんだ。玄関や窓は壊れてない。まさか熊がご丁寧に扉を開けて、入ってきたとでも言うのかお前は。」





その言葉にグッと詰まる。



クソッ、いい考えだと思ったのに。



クシャッと思わず髪に指を突っ込み、口をとがらせているとと小塚が恐る恐る会話に入ってきた。




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Lua - とても面白いです!はやく続きが読みたいです! (2021年9月13日 7時) (レス) id: 7cef825e60 (このIDを非表示/違反報告)
ピュア - とても面白いです!続き待ってます (2021年1月24日 8時) (レス) id: 75738b8618 (このIDを非表示/違反報告)
セダム(プロフ) - 奏さん» ありがとうございます!!更新遅めですが頑張ります! (2020年11月15日 19時) (レス) id: 188dd23746 (このIDを非表示/違反報告)
- とても面白いです。これからも更新頑張ってください。応援してます。 (2020年9月14日 17時) (レス) id: faad7bf9c4 (このIDを非表示/違反報告)
セダム(プロフ) - 紅楓さん» ありがとうございます!ちょこちょこ更新出来たらいいなと思っています。頑張ります!! (2020年8月30日 0時) (レス) id: 188dd23746 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:セダム | 作成日時:2020年6月8日 23時

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