巾着袋は知っている。

KZ、再始動！ ページ46

会話を聞いていた事を悟られないように、しばらく目をつぶって寝ている振りをしていた

そして話題が過激じゃなくなった所で、目を開けて起きる


私はさっきまで寝ていた！
何も聞いていない！


そう自分に言い聞かせながら上半身を起こし、あくびをしながらみんなに挨拶をする


｢ふぁ〜。･･･あれ？みんながいる･･･。おはよ。｣


少しドキドキしながらみんなの反応を待っていると、すぐに返事が返ってきた

｢おう。おはよ、アーヤ。｣
｢はよ。｣
｢おはよう。具合は大丈夫？｣
｢おはよう、アーヤ。｣
｢おはよ、アーヤ。痛いとことかない？｣
｢おはよ。｣


･･･よかった！
バレてないみたい！


ほっと息をつきながら、元気に笑顔で答える


｢私なら大丈夫！痛い所もないよ！｣


そう言うと、みんなは一斉にほっと息をついた

やっぱり、みんな心配してくれてたんだよね･･･


それで少し罪悪感が芽生え、心の中でそっと謝る

さっきはちょっと怖いって思っちゃって、ごめんね･･･


その後、私は病院で詳しい検査を受けて診察結果も聞いた


“脳には異常がなかったので、頭部は傷が塞がるのを待つだけです。
左上腕は骨に異常はないものの腫れてるので、しばらく動かさないで下さい。ここはギプスで固定しておきます。
それから腹部も打撲しててしばらく痛いと思うので、鎮痛剤を渡しておきますね。”


他は特に問題はなく、傷が治るまではあまり無理しないように、と念を押されて終わった


頬と額に貼ってあったガーゼは白い絆創膏に変わり、あまり目立たなくなった


よかった〜！
腕とかも1,2週間で治ると思うって言ってたし！


少し上機嫌で病室に戻ると、付き添ってくれた上杉君以外がみんな長机を囲んで座っていた

黒木君に手招きされ隣に座ると、上杉君も私の隣に座った


全員が着席したのを確認して若武が椅子から立ち、大きく咳払いをしながら私の方に向き直る


｢アーヤ。俺達は、お前をこんな目に遭わせた奴らを許すつもりは無い。絶対に見つけ出して成敗してやる！もちろんお前の事も必ず守る！
･･･だが、もしアーヤがこの件にもう関わりたくないと思うなら、捜査からは外そうと思う。
アーヤ、お前はどう思ってるんだ？｣

みんなにじっと見つめられ、返事を待たれる


そんなの、もちろん･･･！

｢捜査に参加させていただきます！！｣


意気込みながら言うと、みんなの表情がふっと和らいだ


｢よし！じゃあ探偵チームKＺ、再始動だ！｣

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