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メッセージ ページ41

(黒木視点)
病室の前に着くと、中からは何も聞こえなかった

頭に少し不安がよぎり、全員が息を呑む

でもすぐに先頭にいた若武がドアに手をかけ、一気に開ける


そこには椅子に座った上杉と、上半身を起こしているアーヤがいた



はーーーー


アーヤの意識が戻っていることに、俺達は一気に安堵し大きなため息をつく



・・・良かった・・・
ほんとに、良かった・・・



美門なんかは安堵しすぎて床に膝をついて脱力していた


そして俺はアーヤの容態の詳細を知るため、上杉の近くに椅子を持って行って座る
他の奴らもそれにつられ、アーヤのベッドを囲むように座る


すぐに本題に入ろうかと思ったけど、アーヤ本人も聞いてることだから、気を使って少しだけ話をずらした


「アーヤ、起きてて大丈夫?辛かったら寝てて大丈夫だよ」
「ううん。大丈夫。体もそんなに痛くないし。私結構元気だよ!」


そう言って笑顔を見せるアーヤ
その笑顔は、嘘ではなく本当に心から元気だということを物語っていた
その様子に、俺達一同は面食らった表情になる


・・・普通、拉致された上に暴力を振るわれたりしたら、もっとショックを受けないか・・・?

それなのに今のアーヤは・・・普通とは真逆と取れるほど明るい顔で笑っている

・・・これも、立花最強伝説に追加、だな・・・


少し呆れながら苦笑いした後、上杉に視線を向ける


上杉は俺の視線を受け、なにか考えるようにじっとどこかを見つめた
そして意を決したように口を開く


「立花の容態のことなんだけどさ・・・」


そこまで言った途端、まだぼーっとアーヤを見つめていた美門が急に声を出す


「おい!上杉!・・・お前、今この場でそれを言うつもりじゃないだろうな・・・?」
「・・・言うつもりだ。立花の今の状態から見ても、本人に伝えておいた方がいいと思った。」
「・・・っ!上杉、お前!」


美門が飛びかかろうとするのを片腕で止めながら、上杉の目を真っ直ぐ見る


「上杉、言え。俺はお前の判断を信じてる。」


その言葉に、俺はあるメッセージを込めた


“お前は正しい。俺は信じている。”



上杉は俺の言葉で何か察したのか、ふっと小さく笑って応える


「・・・上杉君、私に遠慮しないで言って。むしろ、私も知りたいから言ってくれると助かる」


突如アーヤは上杉にそう言いながら笑顔を向ける


アーヤは今間違いなく上杉の負担を俺の何十倍も軽くした

・・・無意識だろうけど・・・

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桜道 あすか - 何回も読んでも飽きません。 (2021年11月27日 10時) (レス) @page3 id: 47dc307598 (このIDを非表示/違反報告)
桜道 あすか - チョー面白い!最高! (2021年11月27日 10時) (レス) id: 47dc307598 (このIDを非表示/違反報告)
- ゆいさん» こちらの作品を参考にして、作品作ってます!勝手な真似してすみません!(-_-;)こちらの作品はとても面白くて、いいと思います!←(((上から目線で言うな これからも頑張ってください!(^_^) (2020年4月22日 8時) (レス) id: 617ab3f098 (このIDを非表示/違反報告)
ゆっきー(プロフ) - すごく面白かったです!キャラクターめっちゃめちゃ似てます!! (2019年11月16日 22時) (レス) id: 7dc54480e0 (このIDを非表示/違反報告)
ゆい(プロフ) - ふるるさん» きゃーーー!! すっごい嬉しい(T_T) 続編の更新頑張る!!(更新遅いかもだけど・・・w) (2018年3月24日 16時) (レス) id: bbfcbf9d20 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ゆい | 作成日時:2018年1月3日 20時

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