希望の光 ページ36
気がつくと、さっきの暗闇に戻っていた
そしてまたもや走っていて、後ろからは足音が聞こえてくる
息を切らせながら必死に走っていると、冷たい風が頬に当たり、体温がだんだん下がっていく
寒い・・・
・・・こわい
・・・・・・もう、こんなのやだっ!
・・・誰か、誰でもいいから、助けて!!
必死にそう願うと、暗闇だった世界が急に光に包まれる
そしてさっきまで聞こえていた恐ろしい足音はいつの間にか消え、私はその場に呆然と立ち尽くて光に見とれていた
・・・その光は暗闇を明るく照らすほど強いのに、それと同じくらいとても優しく感じた
・・・なんでだろう・・・
この光、すごく暖かくて・・・居心地がいい
そのまま光に包まれて目を閉じると、頬に一筋、温かいものが流れた
そして、瞼の裏には私に笑いかけてくれているみんなが見えた気がした
そうだ・・・
私には、KZのみんながいる・・・
今回もだけど、いつだって私のことを助けてくれたのはKZのみんなだ
そう実感した時、光が一層強くなり、それに意識を持っていかれるように私は意識を失くした
−−−−−
目を開けると、今度は上杉君が最初に視界に入った
「・・・立花っ!よかった!急に意識がなくなったから、心配したんだぞ!・・・よかった、すぐに意識が戻って・・・」
上杉君は泣きそうな顔で私を見ていて、なぜか笑顔がぎこちなかった
こんなに取り乱している上杉君、珍しい・・・
・・・・・・ちょっとかわいい
そう思ってクスクス笑っていると、上杉君が焦った声をあげる
「どうしたんだ!?」
「え?いや・・・。」
言ったら怒るかなーと思ってチラッと上杉君を見ると、すごく不安そうな顔をしていてまた笑ってしまった
「ふふっ、大したことじゃないよ。ただ今の上杉君・・・・・・その、かわいいなって・・・思って・・・。」
最後の方は声を小さくしながら言うと、上杉君はポカンと口を開けたまま動きを止めた
・・・お、怒るかな・・・
ビクビクしながら上杉君を見ていると、上杉君が脱力したように大きなため息をつく
「・・・はぁーー。・・・なんだ、そんなことか・・・。」
「・・・え?そんなことって・・・上杉君、怒らないの?」
「は?何に?」
「・・・上杉君の事、かわいいって言ったこと・・・」
そう言うと、上杉君はムスッとした顔をした
「・・・男にかわいいって・・・ないだろ。」
だけど私は見てしまった
上杉君の顔が少し赤らむのを・・・
42人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
桜道 あすか - 何回も読んでも飽きません。 (2021年11月27日 10時) (レス) @page3 id: 47dc307598 (このIDを非表示/違反報告)
桜道 あすか - チョー面白い!最高! (2021年11月27日 10時) (レス) id: 47dc307598 (このIDを非表示/違反報告)
天 - ゆいさん» こちらの作品を参考にして、作品作ってます!勝手な真似してすみません!(-_-;)こちらの作品はとても面白くて、いいと思います!←(((上から目線で言うな これからも頑張ってください!(^_^) (2020年4月22日 8時) (レス) id: 617ab3f098 (このIDを非表示/違反報告)
ゆっきー(プロフ) - すごく面白かったです!キャラクターめっちゃめちゃ似てます!! (2019年11月16日 22時) (レス) id: 7dc54480e0 (このIDを非表示/違反報告)
ゆい(プロフ) - ふるるさん» きゃーーー!! すっごい嬉しい(T_T) 続編の更新頑張る!!(更新遅いかもだけど・・・w) (2018年3月24日 16時) (レス) id: bbfcbf9d20 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ゆい | 作成日時:2018年1月3日 20時