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アーヤの怪我 ページ32

(黒木視点)
多少罪悪感を抱きながら、アーヤの服に手をかける

上の着衣を脱がすと、腹部には広範囲にわたって青紫色こ痛々しいあざが広がり、左腕には大きく膨れ上がった腫れがあった


その怪我に、思わず目を逸らす


直視するのが、こんなにキツいなんて・・・
こんな怪我、いつも見慣れてるはずなのにな・・・


目を逸らした先には、上杉がいた


上杉は顔を強ばらせ、冷や汗を流しながら壊れ物でも扱うように慎重にアーヤの治療をしている


同じ怪我でも、上杉のほうがキツいに決まってる・・・


1度大きく深呼吸をし気持ちを固めながら、アーヤに向き直る
そして俺も、アーヤの手当をし始める


さっきの怪我は両方とも冷やすとして・・・
他の怪我は手足の擦り傷ぐらいか・・・
こっちは傷口を綺麗にしてから消毒し、絆創膏や包帯で固定しよう


途中から美門も加わり、作業は意外と早く終わった



・・・ふぅ
無事に終わった・・・


一息つきながら上杉を見ると、上杉も終わったようだった
でも上杉は脱力するどころか、ずっと険しい顔をしている


「・・・どうかしたのか、上杉。」

もしかして、傷がそんなに酷かったのか・・・?

上杉の返答を息を呑んで待っていると、上杉がアーヤの顔を見たままゆっくり口を開く


「・・・いや・・・・・・応急処置はしたけど、ちゃんと病院で検査してからじゃないとなんとも言えない。」
「・・・そうか・・・。」


部屋に沈黙が流れる


「・・・そろそろ救急車が来る頃だよな。」

腕時計を見ながら言うとすぐに、救急車のサイレンの音が聞こえてきた


全員で玄関を出て、やってきた救急隊員をアーヤの所まで案内する



「誰が同伴しますか?」

救急隊員の問いかけに、全員が1度黙る

「・・・ここは、リーダーである俺が代表して」
「上杉、お前が行け。」

若武の発言を遮りながら、上杉をまっすぐ見て言う


「おい黒木!何勝手に決めて」
「若武、今俺は上杉に話してんだ。」
「・・・・・・チッ。なんでリーダーの俺がだまんなきゃいけねぇんだよ・・・」


上杉を見たまま言うと、若武はブツブツと文句を言ったが無視した。


「上杉、お前がアーヤについていけ。」
「・・・いや、俺はいい。だいたい、俺よりも黒木とか美門の方が適任だ。」


確かにそうだし、俺だってアーヤについていたい

だけど・・・


「上杉、時間がない。お前が行け。俺はそれ以外認めない。」
「・・・・・・分かったよ。」

診察結果→←美門宅



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桜道 あすか - 何回も読んでも飽きません。 (2021年11月27日 10時) (レス) @page3 id: 47dc307598 (このIDを非表示/違反報告)
桜道 あすか - チョー面白い!最高! (2021年11月27日 10時) (レス) id: 47dc307598 (このIDを非表示/違反報告)
- ゆいさん» こちらの作品を参考にして、作品作ってます!勝手な真似してすみません!(-_-;)こちらの作品はとても面白くて、いいと思います!←(((上から目線で言うな これからも頑張ってください!(^_^) (2020年4月22日 8時) (レス) id: 617ab3f098 (このIDを非表示/違反報告)
ゆっきー(プロフ) - すごく面白かったです!キャラクターめっちゃめちゃ似てます!! (2019年11月16日 22時) (レス) id: 7dc54480e0 (このIDを非表示/違反報告)
ゆい(プロフ) - ふるるさん» きゃーーー!! すっごい嬉しい(T_T) 続編の更新頑張る!!(更新遅いかもだけど・・・w) (2018年3月24日 16時) (レス) id: bbfcbf9d20 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ゆい | 作成日時:2018年1月3日 20時

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