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足音 ページ24

震える足を無理矢理動かし、なんとか前に進む。


このままじゃ、見つかっちゃう・・・!
どこかに隠れなきゃ!


周りをキョロキョロと見て隠れられそうなところを探す。
すると、ある場所が目にとまる。

あっ!
あの林!
あそこだったら、茂みとかに隠れられる!


そう思って林に入ると、そこは光が全く通らない真っ暗な闇だった。

いつもなら怖くて入るのに躊躇うのに、今はそんなことを全く気にせずどんどん進んでいく。


もう、体力が・・・。


倒れ込むようにそばにある茂みに隠れる。


はぁ、はぁ・・・

肩で息をしながら座ると、お腹に痛みが走る。


さっき蹴られたところが・・・


お腹に手を当てようとすると、手にぽたぽたと液体が落ちる。

ハッとして顔に手を当てると、血がかなりの量流れていた。

それでまた気が動転する。


どうしよう・・・
このままじゃ血が止まらないっ!
でも、もし出ていってあいつらに見つかったら・・・


考えただけで体が震えた。


あんな目にあうのは、もう嫌だっ!!
でも、どうすればいいの!?


さっき走ってかいた汗が冷え、体の体温を奪っていく。
ガチガチと歯を鳴らしながら自分の体を抱きしめる。
頭から血を流しているせいか、視界が霞む。


寒い・・・
色んなところが、痛い・・・
・・・・・・こわい
いつまで、こんな思いしなきゃいけないの・・・?


ゴゴゴ・・・

音・・・?


上を見ると、鼻に雫が落ちてきた。

・・・雨だ

その雨はみるみる強くなり、あっという間に豪雨になった。


私は雨を凌ぐことも出来ず、かと言って移動して雨宿りすることも出来ず、ただ雨に打たれていた。


その雨が全身を濡らし、さらに私の体温を奪っていく。


さむ、い・・・
・・・あれ?
体は震えてるのに、なにも感じなくなってきた・・・
あぁ、なんだか、眠く・・・


意識が遠のきそうになった瞬間、誰かの声が聞こえた。

その瞬間、私の体は反射的にビクッとした。


もしかして、あいつらが私のこと探しに来たんじゃ・・・


寒さで震えている体が、さらに震える。
恐怖に思考が支配され、思わず頭を抱えて体を小さくする。


いやっ・・・
来ないで・・・
こわい、こわいよぉ・・・


目をぎゅっと瞑ると、涙がどんどん流れてきた。
でも声は必死に抑え、息を潜める。

雨音の中に足音が混じり、だんだん大きくなる。



お願いっ・・・!
気づかないで通り過ぎて・・・!

消えたアーヤと・・・→←殺される



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桜道 あすか - 何回も読んでも飽きません。 (2021年11月27日 10時) (レス) @page3 id: 47dc307598 (このIDを非表示/違反報告)
桜道 あすか - チョー面白い!最高! (2021年11月27日 10時) (レス) id: 47dc307598 (このIDを非表示/違反報告)
- ゆいさん» こちらの作品を参考にして、作品作ってます!勝手な真似してすみません!(-_-;)こちらの作品はとても面白くて、いいと思います!←(((上から目線で言うな これからも頑張ってください!(^_^) (2020年4月22日 8時) (レス) id: 617ab3f098 (このIDを非表示/違反報告)
ゆっきー(プロフ) - すごく面白かったです!キャラクターめっちゃめちゃ似てます!! (2019年11月16日 22時) (レス) id: 7dc54480e0 (このIDを非表示/違反報告)
ゆい(プロフ) - ふるるさん» きゃーーー!! すっごい嬉しい(T_T) 続編の更新頑張る!!(更新遅いかもだけど・・・w) (2018年3月24日 16時) (レス) id: bbfcbf9d20 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ゆい | 作成日時:2018年1月3日 20時

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