三つの拳 ページ12
「どうする？上杉」
「･･･とりあえず、七鬼立花担げ。俺らも全力で走るぞ。」
「おっけ。立花、悪い。」
えっ？
そう思った瞬間に、忍が私の腰をガシッと掴み、肩に担ぎあげた。
「しっかり捕まってろよ。」
そう言った途端、二人の走るペースが急に上がった。
うわっ！
びっくりしたー
･･･って、これすごく怖い！！
すっごい揺れるし進行方向全く見えないし、前見ると男の人達が怖い顔で追いかけてくるし！
･･･しかも凄い恥ずかしい！！
驚きとか恥とか恐怖とか、色々な感情が相まって声をあげることも出来なく、忍の服に必死にしがみついた。
それから少し時間が経ち、お互いの顔がはっきり分かるぐらいまで男の人達との距離が縮んでしまった。
しかも上杉君達もかなり息が上がってきて、もう限界のように見えた。
でも幸いな事に、男の人達の中には疲れて走るのをやめてしまった人もいて、もう二人しか残っていなかった。
「･･･七鬼、残りは二人だけだ。俺達が1体1で相手すればなんとかなる。お前いけるか？」
「･･･らくしょー。」
えっ！？
これから闘うの！？
そんなの無理だよ！
二人とももう息がかなり上がってるのに･･･！
忍なんか、私を担いでるせいで上杉君以上に大量の汗までかいて、話すのも辛そうなのに･･･
「これから闘うなんて無理だよ！！二人とももう限界でしょ！？」
「･･･立花、よく聞け。このままじゃ、追いつかれるのは時間の問題だ。だけど、俺らはお前さえ逃がしちまえば、勝ちなんだ。あとは少し耐えれば援護が来る。だからお前は、俺が合図した全力で走れ。分かったか？」
上杉君は汗だくになりながら私に説明してくれて、忍はそうしろって言うみたいに私の背中をぽんぽんと軽く叩いてくれた。
体力がもう残ってないのに大人の男の人に立ち向かうなんて、二人の方がよっぽど辛いに決まってる。
でも二人はそれを分かってて私を逃がそうとしてくれてるんだよね･･･
二人の優しさに胸が熱くなり、泣きそうになってしまった。
だめだ！！
今は泣いてる場合じゃない！
私は涙をこらえて、上杉君の前に拳をだした。
「分かった！全力で逃げる！･･･だから、二人も無理しないでね！」
声が震えてて驚かれちゃったけど、二人ともちょっと笑ってから、拳をコツンと軽く合わせてくれた。
「･･･おう。」
「･･･ん。」
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桜道 あすか - 何回も読んでも飽きません。 (2021年11月27日 10時) (
レス) @page3 id: 47dc307598 (このIDを非表示/違反報告)
桜道 あすか - チョー面白い！最高！ (2021年11月27日 10時) (レス) id: 47dc307598 (このIDを非表示/違反報告)
天 - ゆいさん» こちらの作品を参考にして、作品作ってます！勝手な真似してすみません！(-_-;)こちらの作品はとても面白くて、いいと思います！←(((上から目線で言うな これからも頑張ってください！(^_^) (2020年4月22日 8時) (レス) id: 617ab3f098 (このIDを非表示/違反報告)
ゆっきー(プロフ) - すごく面白かったです！キャラクターめっちゃめちゃ似てます！！ (2019年11月16日 22時) (レス) id: 7dc54480e0 (このIDを非表示/違反報告)
ゆい(プロフ) - ふるるさん» きゃーーー！！ すっごい嬉しい(T_T) 続編の更新頑張る！！(更新遅いかもだけど･･･w) (2018年3月24日 16時) (レス) id: bbfcbf9d20 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆい | 作成日時：2018年1月3日 20時
