第十話「Disillusioned」 ページ11
いつもの席でいつも通りノートを取り先生の話を聞く。フリ。私は隣でニコニコしている輩は置いておいて周囲を見渡す。
私は今まで周囲の人間の顔なんて見た事が無いので何奴が怪しいなんて分かるわけ無いじゃない。目が合う人間全員が怪しく感じる…。
「ヘイ彼氏。」
「そんなSiri的な呼び方無くないですか?」
「貴方の耳なら分かるんじゃないの?心音!」
「皆さん私達に釘付けで心音が五月蝿いんですよ。貴方どれだけ有名人なんですか?」
「知らないし私は有名人じゃないわよ。」
私達がコソコソと小声で話している中、前方から此方を静かに涙を流しながら見ていた男性と目が合った瞬間、スっと手を挙げ立ち上がった。
「酷いなぁ中本さん。酷い。酷いよ。誰だよそいつゥ。」
「彼氏です。」
間髪入れずに彼はニコニコと知らぬ相手に言う。そしてその発言に周りも再びざわめき出す。
耐えかねた先生は目の前の男性に注意する。
「おい、講義中だぞお前ら!此処は勉強をする場所であっt」
「三流は黙ってろよ。」
瞬間、教授は腹から上の至る所に大きな穴が、まるで機関銃でも打ち込まれたかの様に空いたのである。頭は顎から上は削ぎ取られていた。
黒板が教授の血で赤く染まり、教卓に教授だった肉塊が大きな音を立てて倒れ込む。
「キャー!!!!」
教室に居る人間は恐怖のあまり男性から逃げ、後ろの方へ集まり、固まり、小刻みに震えて怯えている。
「フフ、怖ぁーい。『カルメンの穴あきくつした』の首謀者は貴方でしたか。名前は確か。」
「黙れ。黙れよォ。俺は…。」
隣に居た彼はまた教授のように一瞬で上半身に大きな穴が空いた。
「ヒィっ!嘘!」
仕事で潜入捜査で一瞬で敵に殺されるとか、洒落にならないわよ!
「!」
血が出ていない。
「中本さん…。」
目の前の男性はジリジリと私の所へゆっくりと進んでくる。私は席から即座に離れ、走って教室のドアへと向かう。
「逃げるのかい?別に逃げても良いけど、後ろに詰まった人達、皆の死んじゃうけどいいの?まぁ、中本さんだしね、他人の命なんて、」
「どうでもいいもんねぇ?」
「…!!」
私はいつの間にか足を止めるのを止めていた。
確かに私は、他人なんてどうでもいいのだ。死のうが殺されようが。それが私の今迄の生活に関わらないのならば。他人との関わりなんて面倒臭いし。
だけど
「それで目覚めが悪くなったら最悪よね。」
私は手を挙げた。
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肉塊(プロフ) - 冬斗さん» わーいありがとうございます〜もっと頭悪い小説にするので何卒〜 (2022年7月28日 10時) (レス) id: 9c26b5fd8b (このIDを非表示/違反報告)
冬斗(プロフ) - そう言っていただいて嬉しいです…!作品いつも楽しく読ませて貰ってます! (2022年7月28日 10時) (レス) id: 2506e918c7 (このIDを非表示/違反報告)
肉塊(プロフ) - 冬斗さん» いや草。誤字の指摘、ありがとうございます。あと自信を持って下さい。何回も謝る様な事貴方様言ってませんよ( 'ч' ) (2022年7月28日 10時) (レス) id: 9c26b5fd8b (このIDを非表示/違反報告)
冬斗(プロフ) - なってしまいます。うぅ…文章が長くなってしまいすいません…失礼しました… (2022年7月28日 9時) (レス) id: 2506e918c7 (このIDを非表示/違反報告)
冬斗(プロフ) - すいません…自分なんかが初コメでおこがましいと思いますが、第四十七話の「再会」の最後の方で『あの時は彼が』の後が『鮭の飲み過ぎ』になっていました。恐らく『酒の飲み過ぎ』だと思います。このままでは夢主の中で、条野さんがしゃけを飲んで酔う人に (2022年7月28日 9時) (レス) @page49 id: 2506e918c7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:肉塊 | 作成日時:2021年9月24日 3時