第九話「日常とは」 ページ10
ザワザワと廊下を前に進むだけで彼等彼女等は異物を見るかの様な顔で声を上げていく。
「うふふ。まるで私達を祝福してくれているようですね。」
「その五月蝿い憎たらしい口を閉じなさい。縫うわよ。」
怖い怖いと子供を相手にするかの様な反応をする『彼氏』設定の下劣男。
「私が犯人を探し出し、人質となり手の内を知る…ですって!?私を殺す気ですか!?日常を失うどころか私が亡くなる様なもんでしょ!?」
「安心して下さい。貴女が死なないように私も同行します。此処で貴女を完全に守れるのは私だけですし。」
「儂は敵の面子を倒し回る。フフ、楽しみじゃあ…。」
幼女だと思っていた彼女は、恐ろしい笑みで大学を見ていた。私はその怖さに圧倒され後ろへ後退りする。すると理事長は私の 肩を叩き、心強そうな英雄を見る顔でこう言い放った。
「頑張り給え!」
しばくぞ。
「貴女は私の彼女のフリをしてくれれば良いのです。」
「うげぇ。気持ち悪い。吐瀉物を飲み込んだ気分だわ。
というか、私は貴方の名前を知らないのに彼女のフリなんて出来るわけ無いでしょう?」
「それもそうですね。」
ふうむ。と考える彼。まぁ、彼は軍警のエキスパート?みたいな人間だ。此処で本名を言えばきっと犯人にも聞こえる可能性がある。きっと仮名を出してくるに違いない。
「貴方にも名前は教えたくないし、仮名も作るの面倒臭いので、此処はダーリンと呼んでm」
私は咄嗟に彼の足を力一杯踏んだ。良かった。今日はサンダルを履いてきたから痛いに違いない。
「ちょっと、足を踏まないで頂きたい。痛いので。」
「本当に痛いの…?」
ケロッと痛がる様子も無い彼を少し怖いと思ってしまった。そういえば、先刻会った時に。
「貴方、本当に生きてる?幽霊じゃないでしょうね?」
「言うのを忘れてました。幽霊です。」
「嘘よ。話して頂戴。貴方私に会った後消えたわよね?」
「此処で手の内を話したら敵に勘づかれます。この件が終わったらじっくり話してあげましょう。」
「結構よ。私、この件が終わったら貴方に例え会ったとしても他人のフリをして生きていこうと思っているの。貴方と関わっていたら日常がもっと崩れるの。」
「良いじゃないですか。非日常。私は慣れています。」
「私は嫌なの。」
そんな変な会話を続けていたら次の講義のある教室へ着いてしまった。
「…行くわよ。」
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肉塊(プロフ) - 冬斗さん» わーいありがとうございます〜もっと頭悪い小説にするので何卒〜 (2022年7月28日 10時) (レス) id: 9c26b5fd8b (このIDを非表示/違反報告)
冬斗(プロフ) - そう言っていただいて嬉しいです…!作品いつも楽しく読ませて貰ってます! (2022年7月28日 10時) (レス) id: 2506e918c7 (このIDを非表示/違反報告)
肉塊(プロフ) - 冬斗さん» いや草。誤字の指摘、ありがとうございます。あと自信を持って下さい。何回も謝る様な事貴方様言ってませんよ( 'ч' ) (2022年7月28日 10時) (レス) id: 9c26b5fd8b (このIDを非表示/違反報告)
冬斗(プロフ) - なってしまいます。うぅ…文章が長くなってしまいすいません…失礼しました… (2022年7月28日 9時) (レス) id: 2506e918c7 (このIDを非表示/違反報告)
冬斗(プロフ) - すいません…自分なんかが初コメでおこがましいと思いますが、第四十七話の「再会」の最後の方で『あの時は彼が』の後が『鮭の飲み過ぎ』になっていました。恐らく『酒の飲み過ぎ』だと思います。このままでは夢主の中で、条野さんがしゃけを飲んで酔う人に (2022年7月28日 9時) (レス) @page49 id: 2506e918c7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:肉塊 | 作成日時:2021年9月24日 3時